季節の朗読「しきよみ」#5 夏の朗読劇【初恋】


ステージには、上手に振り子時計とその上にかかった麦わら帽子。
下手にはビーチボール。
夏のお話。

今回もハマー(濱田貴司さん)が曲を作ったというので聴きに…。
全体的に今までのしきよみと比べて、音楽は少なめ。
特に序盤はBGMは無く、会話だけで進んでいく。

脚本の渡辺さんが、1話目の「人魚の誤算」が「出題」で、2話目の「変身する羊」が「解答」だと言っていた。
たしかに、1話目の伏線が第2話で回収されていく展開だった。

声優さんの会話のリズムってホントに素晴らしい👏👏

①【人魚の誤算】
15年前、2008年夏のカイリの思い出。
3年前に失踪した兄を持つ15歳のカイリ。
彼の前に兄と一緒に駆け落ちしたと言う24歳のサラが現れる。
サラはカイリに町案内を頼み、彼は渋々引き受ける。
カイリの仲良しの同級生、マリカとケイタ。
マリカはサラに「カイリや家族を不幸にして、今度はカイリまで連れて行こうとしている」と非難する。
周囲の心配をよそに、カイリはサラに惹かれていく…。

第1話はカイリの初恋。

21歳が15歳と駆け落ちしたら、それはマリカが言う通り、未成年者略取誘拐罪ではないかと思う🙄

②【変身する羊】
冒頭、カフカの「変身」が出てくる。第1話で15歳のカイリが読んでいた本。

2023年夏、現在のカイリ。
兄の失踪後家に寄り付かなくなった父親が亡くなり、葬儀のために故郷へ戻る。
傍らには妻になったマリカ。
(冒頭の登場人物紹介で、名字が変わっていたらしい)
そこへ、「ミナト」と名乗る女性が現れ、サラの手紙をカイリに渡す。
カイリより先に手紙を見てしまったマリカ。
手紙には兄の失踪に関する真相が書かれていた。
それをきっかけに、カイリは抑え込んでいた想いを解放してしまい…

⚠️ネタバレすると…
サラは兄の恋人ではなく、兄の家出に付き添った人。
兄はトランスジェンダーで「ミナト」になっていた。家出の原因は「トランスジェンダーを理解されなかったから」。
サラは明日海外へ行くことになり、お別れの手紙だった。
手紙を見たマリカは、カイリが今でもサラを想っていることが分かっていて、カイリをサラの元へ送り出す。
幼なじみのケイタ。今も独身。
なぜなら、ケイタの初恋はカイリ。
マリカとケイタは、仲良しであり恋敵でもあった。

いろんな初恋が判明して終了。

カーテンコールの第一声が
「ごめんなさい!歳上の女性が忘れられなかったんですー!」
で、笑ってしまった🤣

声優さんたちが「ぼたんが『実は全部知ってた』と打ち明けるシーンのBGMが不穏で…。悪役出て来たみたいだった」と言ってたのが面白くて、その後ハマーに会ったので、本人に伝えた🤣
🐼「それは『リバース』やな」
😶「曲名?」
🐼「(既出の曲の)逆回転のこと。不穏な感じになる」
😶「ほほう…」

第2話クライマックスで「ごめんね、みんな連れてきちゃった」と、ぼたん叔母さん。
えー、全員集合かい!🤣
…と笑いかけたけど、その後みんなの「ごめんね」合戦で涙が…😭
ラストで初芝崇史さんが歌うテーマソングが流れて、ここで歌の力にも押されて泣いた😭

カフカの変身は、女性に「変身」した兄の象徴なのかな?と思った。
ちなみに私が読んだのは18歳の時。
学校の課題で仕方なく…😅

脚本:#渡辺流久里 さん
プロデュース・演出:#濱田智之 さん
音楽:#濱田貴司 さん

出演:
#阿澄佳奈 さん #上村源 さん #堀川かえで さん #石井孝英 さん #小峯愛未 さん #菊池勇成 さん

#しきよみ
#朗読劇