【𝟐𝟎𝟐𝟑.𝟖.𝟐𝟗 夜公演】

シス・カンパニー公演「いつぞやは」を観に行きました。


良い作品。
いろいろあったけど、演劇作品としてとても面白かった。

ステージ上には、机と、積み重ねた椅子3脚。
家具も壁も床も天井も、全てグレー1色。
天井にはダウンライトが整然と並ぶ。その数28個。
左右と奥がぐるっと3方向に1段高くなっている。
これはステージとして歩くこともでき、収納BOXみたいに開いて、小道具を取り出したりキャストが出入りする。のび太の机の引き出しみたい。

机を移動して配置することで場面転換する。
最後に最初の配置に戻る。物語も最初に戻る。キレイに閉じるエンディングだった。

一戸役だった窪田正孝さんが降板し、平原テツさんが登板。
短い間に完成させたこともすごいが、パンフレットも差し替わっていてビックリ。
交代発表から初日まで1週間くらいだったが、簡易的な製本とは言え、印刷がよく間に合ったなぁ…。

テツさんが役作りでだいぶ痩せていた。
おそらく窪田正孝さんも、役作りで落としていたと思う。

テツさんは一戸を完全に自分のモノにしていて、逆に窪田くんだったらどんな一戸だったんだろう?と知りたくなった(想像つかない)。

「どうでもいいと思っていたことが、できないとなるとやりたい」

「やりたいことをやればいい」と言われた一戸がやったことが「結婚」。
意外なほどに優しいストーリーだった。

坂本はかなりウザかったけど、ラストで号泣する姿を見て、いいヤツじゃん、と思う。

作演出の加藤さんは、人が亡くなってもその人のSNSは残り続ける…それを脚本にしようと思ったとインタビューで語っていた。
冒頭の松坂のセリフにそれが出てきていた。

"やってみたいと思うことは思ったときにやる。そのうち…と思っていると、手遅れになることもあるのだから…"

しきりと手を掻きむしる仕草。なんだろう?と思ったら、生命線を伸ばそうと掌を切っていたと分かり、ズンときた。
すっかり受け入れたようでいても、やはり諦めきれないものが「生」なのだ。

それにしても、一戸のカラオケの十八番が♪さよなら人類 っていうのがイミシン…🙄

鈴木杏さんの脚の長さと高校制服姿にビックリ😮

⚠️以下はネタバレが含まれます。

観劇翌日に悲劇喜劇に載っていた戯曲を読んだ。
驚いた。
ラストが全然違っていた。
上演版は、松坂が一戸に頼まれながらもスルーしていた、一戸をモデルにした戯曲を書きながら終わる。坂本は号泣しながら見ている。二人が一戸へとの繋がりや思い出の中にいる、優しいエンディング。
掲載版はもっと冷たい終わり方。誰も泣いてなどいないし、松坂は「フォローを外す」と、一戸との繋がりを切る宣言をする。
私は断然上演版が良いと思った。
あとは、クラブ帰りにビニール人形で一戸と坂本が殴り合うシーンは、ガチビンタだった。
さすがに舞台でビンタ合戦は生々しいから、ビニール人形で良かった。

作・演出:#加藤拓也 さん

出演:#平原テツ さん #橋本淳 さん #夏帆 さん #今井隆文 さん #豊田エリー さん #鈴木杏 さん

#いつぞやは
#舞台観劇
#観劇記録

 

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