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 前回の続きではありますが、父の話ですので番外です。

 父は20年以上前に胃がんを患いました。
 胃の3分の2を切除し、抗がん剤治療を受け胃がん自体は完治しました。

 しかし、腸閉塞をおこすようになりました。多い時には週2回、1〜2週間に1回は救急車を呼んだり私の運転で病院に行きました。そのたびに入院することが多かったです。腸閉塞が治まり退院してもまたすぐに体調が悪くなり病院に行き入院。この状況が2~3年くらい続いたと思います。
 頻発する腸閉塞。父はとても苦しんでいました。痛みでイライラするようになり母にあたるようになりました。強くて気丈な父でしたが、病気は父を変えていきました。

 父が一番辛いのはわかっていましたが、先が見えない状況に母も私も疲弊していきました。

 長引く腸閉塞、病院は父の体調が悪い状態でも退院するようにと言うようになりました。
 私達家族はこの状態で帰されても困ると訴えましたが、聞き入れてもらえませんでした。退院しても当日に病院に戻り結局再び入院ということも何回もありました。

 私は父に「腸閉塞がこんなに頻発するのはおかしいから他の病院で診てもらおう」と言いました。しかし、父は他の病院へ行くことはありませんでした。
 この病院は地域の基幹病院だし、主治医のことを信頼しているからと。

 何がきっかけか私は知りませんが、検査をした結果、胃がんの手術をした際に腸を折り曲がった状態で入れてしまったことが判明しました。
 折れ曲がっていたらものが通るはずがありません。出たところですぐに詰まってしまうのは当然のことです。

 父は医療ミスにより何年も苦しんだのです。

 腸を戻す手術が決まりました。何年も折れ曲がった状態だった腸は癒着してしまい、大変な手術だったようです。

 父が亡くなってから母から聞いた話では病院側から謝罪があり、訴えてもらっても構わないと言われたそうです。しかし父は医療ミスは許されないし、許しがたいことだが、お世話になったのも事実だからと言い訴えなかったとのことです。

 父は何年も続いた腸閉塞により大切な時間を失いましたし、大きく体力を奪われました。

 手術後は腸閉塞をおこすことはなくなり日常を取り戻しましたが、その時間は長くは続きませんでした。
体力がなくなり横になることが多くなりました。その状態が1~2年続いたと思います。
 最期は痰を吐き出せず、喉に痰を詰まらせ呼吸が出来なくなり帰らぬ人となりました。

 タラレバを言うのは好みませんが、もし、あの医療ミスがなかったら父はもっと長生き出来たのかもしれないし、晩年は違った形で過ごせたのかもしれないとどうしても考えてしまうのです。

 父のことで医療ミスをし、私達家族に冷たい対応をした病院です。

 父の付き添いや見舞いで何度となく訪れました。

 あれから時は流れましたし、違う科ではありますが、同じ病院であることは間違いないので私はこの病院にかかりたくなかったのでした。

 しかし、私に異変が起きた時に車を運転出来ない母は市内の病院でないとかけつけるが出来ません。
 現実的なことを考えるとこの病院で治療を受けるしかありませんでした。