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 私が入院している病院の隣には看護学校があります。
病院ではその学校の学生が実習を行っています。

 多発性骨髄腫の治療には直接的に関係のないことですが、私の今までの入院生活の中で大きな出来事の1つなので、今回は患者として私が受けた看護実習について書きます。



  2023年5月9日、その日の私の担当ではない看護師が来ました。不思議に思っていると
「私、看護学生の実習の担当をしています。看護学生をだいちゃんの担当にさせていただきたいのですが、お願い出来ないでしょうか?もちろん断っていただいても大丈夫です。」

 前の病院で同室の方が看護学生の実習の担当になっていたのを見たことがありました。患者を5〜6人の看護学生が囲んでお話会のようなことをしていました。

 私はそれが頭にあったので
「そういう感じなら話すことがないし無理です。」
と伝えました。
すると看護師は
「検温やバイタル等、看護師がやることをやらせていただきます」
と。
「それなら大丈夫です。どうぞ。」
受けることを即決しました。

 何故即決したのか…この頃の私、どこか気分が晴れない、モヤモヤとした気分の毎日を過ごしていました。
 痛みはひかないし、腫瘍は大きくなる一方、治療を始めて半年位でしたが、薬は効かずよくならない…自分でも気がつかないうちに気持ちが滅入っていたのだと思います。
 若い学生さんと接することでエネルギーを感じ、パワーがもらえるのではないか、新しい風が吹くのではないか、そんな気がしたのです。

 翌朝、1人の看護学生が私のところに来ました。
「だいちゃん、おはようございます♪」
 キラキラと目が輝いていてハツラツとした笑顔が印象的な素直そうな女の子です。
(これは受けて正解だったかも照れ) 

 聞くとお母さんと私は同じ年齢、名前が私の姪と同じということですぐに親近感がわきました。

 彼女(Kさん)が学校に行く以外の日、毎回明るい笑顔と元気な挨拶で私のところに来てくれました。 それだけで何か救われるような気がしました。

 後に私は身動きがとりにくい状態になるのですが、Kさんはいろいろと考え、対応してくれました。

 シャワーを浴びれない時には足湯や洗髪、体を拭いてもらいました。

 シャワーを浴びれるようになっても私1人では脱ぎ着が出来ず体を洗えない状態だったのでシャワーを遠慮していると「シャワー浴びて気持ちよくなりましょう」と言って手配してくれました。看護師と2名で対応してくれました。

 ベッドから自力で起き上がれないと言うとベッドを電動ベッドに変えてくれました。

 1対1のケアってこういうことなのかもと思いました。

 昼過ぎに時間があると「お話よいですか?」と来ていろいろな話をしました。お互い好きなキャラクターの仕事猫のこと、世間話、病気のこと。スマホ音痴な私にスマホのことを教えてくれたり。とても楽しかったです。

 この頃私は複数の科を受診していましたが、ほとんどに付き添ってくれ、行く先々で見学していたようです。
放射線室やレントゲン室の中に入った学生はこの病院では今までいなかったそうで、よい勉強が出来ましたと喜んでいました。きっと好奇心旺盛なのでしょうね。

 2週間がたち看護実習は終わりました。
最後に挨拶に来てくれたのでKさんに手紙を渡しお別れしました。

 Kさんがいなくなった翌日、来る看護師全員が私に
「だいちゃん、寂しくなりましたね。」
と言ってきました。
 きっとみんなにKさんの頑張りが伝わっていたことでしょう。

 最初の予感はあたり新しい風が吹きました。
 Kさんが去った後、辛いこともありましたが、暗い気持ちになることはあまりありませんでした。

 Kさんありがとうございました。
 今後のご活躍を心よりお祈りしています。