…相場格言…「もうはまだなり、まだはもうなり」(八木虎之巻・本間宗久) | 【極上の相場格言】― カネがなくても知恵がある!―

…相場格言…「もうはまだなり、まだはもうなり」(八木虎之巻・本間宗久)

…相場格言…

「もうはまだなり、まだはもうなり」(八木虎之巻・本間宗久)


kabutoIM000001 「もうはまだなり、まだはもうなりということあり。この心は、たとへばもう底にて上がるべきとすすみ候時、まだなりと云う心をいま一度ひかへ見るべし。まだ底ならず下がるべきと思う時、もうの心を考ふべし。必ずまだの心ある時より上がるものなり。この時たとえば千俵買い申すべきを、ニ三百回申すべき様に心得るべきなり。もうの心も同前なり。よくよく考えるべし」(八木虎之巻)

古来、相場の研究は値動きのメカニズムを解明することにありますが、これまでだれも明解な答えを出 していないのですから、いかにこの課題が難しいかがわかります。そこでこの格言。売買をするときはこの「もう」と「まだ」で相場に問いかける作業が重要です。もう限界と利食いして利を薄くしたり、まだ傷は浅いと放置して損をする。これらを避けるためには、建玉に囚われることなく、“もう”出動するべきであると考えたときは “まだ”の心でいまいちど止まり。“まだ”出動するには早いと考えたときは“もう”その時ではないかと検討する。すべての物事に裏と表があるように、相場も売りと買いの二面があります。ですから売買をする時はその両面から考察すること。相場とはこの“もう”と“まだ”の矛盾に調和を求める作業になります。

もうはまだなり、まだはもうなりは「もうはまだなり…」が記載されている『八木虎之巻』(下)と『八木豹之巻』(上)。ちなみに、著者“猛虎軒”とは“モウ、コケン”の略。◆「もうはまだなり、まだはもうなりといふことあり。ただし数日最早時分と思ひかかるに見計り悪しければ間違いに成るなり、まだまだと見合はせ居るうちに遅るることあり」(本間宗久翁秘録)