■―相場いろはかるた― | 【極上の相場格言】― カネがなくても知恵がある!―

■―相場いろはかるた―

むかしから斯界に伝わる『相場歌留多』です。いろいろな相場格言を組み合わせたもので、米相場の時代から口伝で伝わったものを、株式市場を意識して編纂してあり、なかなかよく出来ています。現存している『近世いろは相場金言集』を参考に一部を他の格言に置き換えて復刻してみました。



[い] 陰陽はめぐりめぐりて循環す、陰極まりて陽となるなり

[ろ] 論をたて相場の逆を張る人は、論に勝っても相場に敗れる

[は] はじめから損する覚悟で相場せよ、思惑過ぎれば機会を失う

[に] 忍耐し時期の到来まつが仁、あせって出れば負けと知るべし

[ほ] 誉められる仕手は全盛の極みなり、人より先に提灯を消せ

[へ] へ理屈をこねて自分の玉かばう、深いるばかりで損も見切れず

[と] 獲った金儲けなりとて使うなよ、あずかったつもりで蓄えておけ

[ち] チャンスは一瞬のうちに駆け巡る、先をよく読みはやく手を打て

[り] 利乗り玉まよえば半分手仕舞いて、気分しずめて守れ福の神

[ぬ] ぬかるなよ見切りかんじん意地はるな、損して得とることもある

[る] るいよりて集まる意見は時遅し、その裏道をふかく考えよ

[を] 大相場小相場のみわけ肝心なり、損も利益もここにはじまる

[わ] 割安と思えるときは買い時なし、割高のときに売り時なし

[か] 買い玉の引かれたときに意地はるな、もどり少なく深手おうなり

[よ] 寄りつきに呆けた相場は心せよ、気配かわるはおおくはこのとき

[た] 建て玉の損益計算するべからず、利食い急げよ損は見切れ

[れ] 連日のつづく相場にふたつあり、老いにつかず若きにつけ

[そ] 相場ほど世に面白きものはなし、うまく当たれば億万長者

[つ] ついむかし底値百日というけれど、いまは機敏で反発も急

[ね] 値に惚れて売買するのは慎めよ、大相場にはきっと損する

[な] なん人も見込み違いはあるものよ、意地を張らずに出直すが勝ち

[ら] 楽々と儲かるときは気を抜くな、千載一遇このときにあり

[む] 無駄遣いするカネがあるなら相場せよ、長者になれる真の近道

[う] 売り方で引かれる間はながけれど、下がる相場は速きものなり

[ゐ] 居座りて焦ると損は増すものよ、手数だけでも落ちつけば得

[の] 野も山もみな一面に強気なら、阿呆になりて売りの種まけ

[お] 大相場見定めつけばついて行け、宝の山にともに登れる

[く] クソ度胸だすはよけれどヤケクソに、ならぬように心おくべし

[や] 山をみて谷のふかさを予測しろ、勇気をだしてドテン売り

[ま] まだまだと人がいうとき利食いせよ、もうというとき心ゆるめるな

[け] 怪我もせずおおきくなれる子供なし、失敗かさねて相場の達人

[ふ] 不手際でカネが減ったと悔やむなよ、預けてあると思え

[こ] 小相場のときは難平玉建てよ、チャブつかぬための小楯になる

[え] 栄光の道はけわしくきびしくも、人より一歩の努力かさねよ

[て] 天井買い底値突っ込みするなかれ、もどりをまつは損のもと

[あ] あまるものに原価なし、相場なきものつねに知りおけ

[さ] 三力がそろえば相場つよく張れ、資力・胆力・努力これなり

[き] 気のむいた時は吉日躊躇するな、考えこめば出るときなし

[ゆ] ゆとりある資金建て玉かなめなり、フルイ落としてダマシに勝つ

[め] めでたくも春をむかえる心なら、引かれ玉にモチを食わすな

[み] 見切るとき見切らず日々すごす、深入るばかりで損を見切れず

[し] 仕掛けるに難平極めて玉建てよ、負けたときに苦労すくなし

[え] 遠方の相場するひと利益あり、ちかく見ぬだけ迷いすくなし

[ひ] 人の行く裏に道にあり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け

[も] モウモウと思う相場はおく深し、損玉あればはやく手仕舞え

[せ] 成功を急げは苦労絶え間なし、小さな玉から徐々に積み上げ

[す] 掬うても掬うても尽きぬ金儲け、おくれるとても急ぐな急くな

[ん] 運鈍根三つのみでは財つめず、勤勉倹約の二運を忘れるな

[京] 強弱はいうより聞けよ相場道、きいて盆ありいうて得なし



[参考文献『近世いろは相場金言集』大阪綿業新聞社(1953)