日本が誇るスーパースターの羽生選手が昨年プロに転向しました。それまで私は妻が熱烈なファンなので彼の出場した試合は丁度ゴールデンタイム等で放送してたので一緒に観戦していました。

 確かに男の私が見ても今までの日本の選手とは一線を引いた感じで、容姿だけでなく一挙手一投足全てが計算され尽くし、曲のイメージに合わせ、また曲の展開が変った際の切り替えと言いますかメリハリがきちんとついている。しかも彼はどんなに調子が悪い時でも曲が終わった際きちんと演技も決めポーズでフィニッシュする。結構いるんですよね曲が終わってもフィニッシュポーズ取れない選手。途中ヘロヘロでも最後ぐらいは決めないとね格好悪いんですよ。

 

 さて、どの国の試合でも彼の人気ってすごかったんですよね、観客席は超満員だし歓声や演技後のプレゼントの数もリンクが埋まるくらいのぷーさんで一杯になるといったように…。これってフィギュア人気と言うよりは完全に羽生人気です。彼の演技などを見てフィギュアを観戦するようになった人、結構いるんでしょうね。よく私はこの現象を90年前半のF1ブームと重ね合わせたりします。あの時もセナ様~っていう状態に日本グランプリがなったのを覚えています。そしてセナのファンになりF1を見てた人は彼の事故後レースを見に来る人が減ったように思えます。ブームが去るとだんだんテレビ放映もされなくなっていきました。あの異常な光景はやはりアイルトン・セナがお目当てだったんですね。

 幸い、羽生選手の場合は競技会から退いただけでプロに転向したのみなので、演技はより充実したものが見れるようになったのではないでしょうか。よく競技会から退くと現役引退とか書かれたりするが彼いわく引退ではないんですよね、演技の場が競技会ではなくなっただけという事。プロになってからもっとスケートが上手になった、と、言ってました。ただ点数を出すためだけの演技から脱皮し真のフィギュアスケートの道を歩み出したって事でしょうか。これからの活躍がホントに楽しみです…って何時の間にか彼のファンになってしまっています(笑)

 

 さて、じゃあ何が転換期なのか?

 一言で言うと観客動員数に現れてるって事でしょうか。彼がプロに転向後、各フィギュアの試合が行われました。確かにロシアや中国の選手が出てなかったしコロナ下というのもあったんでしょうが、”明らかに”観客数は激減してるんですよね。せめて国内の試合は…って思ったんですがNHK杯にせよ全日本選手権にせよ観客席が埋まる事はなくガラガラ状態。だからカメラワークも必然的に空席をなるべく写さないように苦労してるのが分かりました。日本人選手の活躍が目立ったシーズンだったんですがね。まぁショーではなくあくまで競技会なんですが、それにしても羽生選手が競技会に出てた時とは雲泥の違いです。

 ちなみにメダリストによるアイスショーも空席が目立っていたそうです。それに反比例するかのごとく羽生選手のアイスショーは常に満員御礼状態どころかパブリックビューイングも満員状態。中国のファンからは台湾ではパブリックビューイングをやるのにこちらでは何故?やらないの?と中国の熱烈な羽生ファンは嘆いていたとか…。

 

 で、結局はフィギュアスケートって野球やサッカー程人気がでたとは思わないんですよね。競技人口も少ない、何故か?リンクが少ないから誰でも手軽に出来るってものじゃないのが大きな要因でしょう。サッカーなどは広場とボールと人がいればどこでも出来ますしね。

 やはり羽生人気だったんですよ、以前の真央ちゃん人気と同じ現象ですね。フィギュアを見るっていうより真央ちゃんや羽生選手個人を見たいからって言うのが大きい、ホントアイドル歌手のようです。ま、フィギュア界のアイドル、貴公子のような存在ですからね彼らは。ちなみに真央ちゃんのアイスショーも観客の入りはいいようですね。見る方にとってはいつまでも”真央ちゃん”なんですよね。羽生選手も全く同じ状態、違うとすれば彼は1人でやるっていうのが特徴でしょう。

 

 この大きなスターを失いどうなってしまうんでしょうね。批判を覚悟で言いますが今の現役選手で彼の代わりにはなれません。それほどの選手であり、存在だったんです、それでも連盟は彼を冷遇しました。連盟のプール金、彼がデビューしてからプロに転向するまでの間に倍以上になったのにもかかわらず…。ものすごく貢献してたのにね金メダルも2大会連続で取ったし、ジュニア時代からの全てのタイトルもスーパースラムだって達成した男子は彼だけ、ほんとに偉大な選手なんですよ。なのに連盟からは冷遇され不当な採点もされたりと受け入れがたい事が彼には降りかかった。

 

 しかし競技者を離れた彼はそんな呪縛からも解放され自分の理想とするスケートに邁進し続けている。どこまで進化していくんだろうか?