創業家と会社側の対立が続く大戸屋ホールディングス(HD)は3日、確執の原因を「双方の対応に問題があり、十分な意思疎通を欠いた」などと総括した第三者委員会の調査報告書を公表した。会見した窪田健一社長は「無用な対立はすべきではない」と述べ、和解に向け意欲を示した。だが、「(創業家と)直接対話は難しい」と説明するなど、解決への糸口は見つかっていない。

 窪田社長は「創業家への配慮、事前説明がなかったことを反省している」と陳謝。業績については「内紛で影響が出ているとは考えていない」と述べた。

 第三者委は、死去した前会長の三森久実氏に対する功労金支払いの有無や、株式を相続した長男の智仁氏が早期の社長就任にこだわったことなどが、確執の背景にあると指摘。窪田社長は功労金について「適切に対応する」と述べるとともに、今年2月に大戸屋HDの取締役を辞任した智仁氏の経営陣復帰も「排除しない」と述べた。

 定食店「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋HDは、昨年7月に創業者の久実氏が急逝した後、智仁氏ら遺族が会社側の経営方針に反発し内紛が続く。