「俺の名は、モビー 私立探偵のモビー
持つべきは、頼りになる友だね・・・ホント」
モビーは、いつものように独り言で 今の気持ちを説明した
「いやいや、いつもながら絶妙のタイミングですよ・・・レミーちゃん」
モビーは、鎧将ギ・ガイブにトドメを刺される寸前の所で宇宙刑事レミーに命を救われた
レミーは、宇宙刑事レイカースこと桜大門の宇宙刑事としてのパートナーであると同時に
先代レイカースの下で、桜大門とモビーと一緒に猛虎緑湖拳修行をした兄弟弟子の一人でもあった
レミーが撃ったバードニアブラスターガンの直撃を受けたガイブの顔面には、傷一つ付いていなかった
(ビームガンの直撃を受けても無傷なんて! きっとロアメタル製の鎧・・・厄介な相手ね)
レミーは そう思ったと同時に、心の中で次の作戦をシュミレーションしていた
そんなレミーに対して、ガイブはこれ以上 猛虎緑湖拳伝承者との決闘に水をささないよう
邪魔者を追い払うように言った
「私は、女に向ける拳も剣も持ち合わせてはいない 見逃しておいてやるから、失せろ!」
鎧将ギ・ガイブの女性を馬鹿にしたような言葉に、レミーは心から怒りを覚えた
モビーを傷つけたことも許せないけど・・・ 今の言葉、頭に来た!!」
レミーの気持ちをよそに、ガイブはレミーの存在すら無視してモビーにトドメをさす為に向かって行った
レミーは、実力行使しかないと思った
「いくわよ!!」
「光着!!」
宇宙刑事レミーの『光着』タイムは、わずか0.01秒にすぎない では、『光着』プロセスを見てみよう
レミーの『光着』指令に対応し、『超時空戦闘空母ビッグダイモン』のコンピューターが、コンバットスーツを原子分解 シャイニングメタルに変換し転送
レミーの体表に吹き付けられたシャイニングメタルは、体温に感応し、その型状記憶作用によりコンバットスーツ型体に変わるのだ!
コンバットスーツ姿になったレミーを見てもなを、ガイブはレミーを見下すような態度で
「女宇宙刑事か?
残念だが、コンバットスーツを装着しても
女に私を倒すことはおろか、地面に片膝を付けることも出来ないぞ」
と言った
「それは、どうかしらね!?」
レミーは、バードニアブラスターガンに向かいコンバットスーツの音声システムを使い指示をした
レミーの指示に従い、ビームガンから音声反応が有った
『マグナムシュート・チャージ!』
宇宙刑事レミーのバードニアブラスターガンは、他の女宇宙刑事のものとは違うカスタム仕様になっている
最大の特徴は、通常射撃5発分のバードニュームエネルギーを一発に凝縮し弾丸のように発射し戦車の装甲板も撃ち抜ける『マグナムシュート』が出来るところである
破壊力の大きい『マグナムシュート』だが、発射する時には発射した者の肩の骨や関節を壊する程の激しい衝撃が起こるため、コンバットスーツを『光着』出来るレミーだからこそ使いこなせる必殺のシューティングとも言える
レミーが光着するコンバットスーツが、上半身だけしか無いのは 女性のレミーの身体に掛かる重量的負担を軽減する意味も有るが 本来、『マグナムシュート』発射の激しい衝撃を軽減するプロテクターだからなのである
『チャージ・OK!』
「了解(ラージャー)」
レミーは、バードニアブラスターガンの銃口をガイブ達の方に向けた
マグナムだろうが手持ちのビームガン程度で、この私のロアメタル製のボディーに
傷一つ付ける事は出来ない」
鎧将ギ・ガイブは、半ば呆れた様な態度でレミーに向かって言った
「そんな事は、百も承知よ! いくわよ! 『マグナム・シュート』!!」
言葉通りガイブは、マグナムシュ-トを全く避ける素振りを見せなかった
ズゴーン!! ズゴーン!!
しかし、爆発をしたのはガイブの横にいた2機の機械兵だった
「私、無駄弾は一発も撃たない主義なの!」
たとえ、マグナムシュートを使ってもガイブの装甲を貫くことは出来ないと思ったレミーが狙っていたのは機械兵の方だった
レミーの放ったマグナムシュートは、一発で2機の機械兵の装甲を貫いた
「女の子相手に、3対1じゃ 卑怯でしょ?」
そう言うとレミーは、ジャンプをしてガイブの胸元に『両足ドロップキック』を決めると、上空で反転してガイブとモビーの間に立った
そして、ガイブに向かってファイティングポーズを取ると 後ろにいるモビーに言った
「モビー 走れる?」
「当り前じゃん! 不死身のモビーだよ 俺様は」
ボロボロになったモビーは、レミーに向かってVサインを出した
「そう言うと思ったわ」そう言って、レミーは笑った
「じゃ 走る準備して、ちょっと待っててね」
ガイブに聞こえないような小さい声でモビーに伝えたレミーは、ガイブに向かって言った
「鎧のおじ様 随分、女の子には お優しいみたいだけど
そういう偏見、武道家同士に対しては失礼よ!」
レミーの言葉を聞いてガイブは、首を横に振っていた
レミーも、ガイブの態度に対して首を横に振った後
「じゃあ、私がわからせてあげる!」
と言って、ガイブに向かって行った
レミーは、素早い動きで一気にガイブの懐まで入ると 得意のキックをガイブ目がけて息つく暇もなく何発も何発も、あらゆる角度から連打して叩き込んだ
ガイブは、最初のうちは全てのキックを捌いて(さばいて)いたが、あることに気が付いてからは避けることなく、レミーのキックを受け出した
「言うだけ有って、なかなか良いセンスはしているが 所詮、女の蹴り・・・優しい蹴りだ」
レミーのキックは、全てガイブの急所を捉えていたが ガイブには、全く効いていないようだった
猛虎緑湖拳の、蹴り技を使ってもガイブのロアメタル製の鎧を砕くくとは出来なかった
それでも、レミーは蹴り続けた
「おんな、お前が使う拳法も猛虎緑湖拳だな
猛虎緑湖拳は、一子相伝の拳法では無いのか?
・・・・そうか、伝承者正統・・・弟子を持ち技を伝える事は出来るの者は一人だが
使い手は、一人では無いということか・・・
アイツは、伝承者正統ではないな!」
ガイブは、モビーを指さして言った
レミーは、モビーの使う宇宙最強の拳法に感じていた物足りなさの原因を悟ったガイブに、付けたすように言ってあげた
「やっと気が付いたの・・・ じゃあ、もう一つ良いこと教えてあげる」
ヘルメットのキャノピー越しにガイブにウインクをすると、得意の左ハイキックをガイブの脇腹に叩き込んだ
ロアメタル製の鎧を破壊することなどもちろん出来なかったが、緑色の閃光に包まれた左ハイキックが脇腹に決まった瞬間、ガイブの脇腹に激痛が走った
「何っ!?」
余りの激痛に、ガイブは脇腹を押さえながら片膝を地面に付いた
「モビー、今よ! 砂山を駆け上って!!」
「あいよ!」
モビーは、レミーの指示に従い 先ほど、レミーが現れた3m程の砂山を残った全体力を使って全力で走って登った
「ね、女の子の力・・・なめたら痛い目見るでしょ」
そう言うと、レミーも一気に砂山を駆け登った
『レミー・ウィニングショット』とは、
レミーが、コンバットスーツを『光着』した時 上半身のプロテクター以外に 左足に『衝撃増幅装置』が転送されます。
これは、キックの相手への衝撃を増幅して一方方向に放出する装置で レミーのキックの威力を5倍にすることが出来る宇宙刑事レミーの必殺技です
『レミー・ウィニングショット』の特質は、威力を5倍にするだけでなく 増幅されたキックの破壊力を衝撃波として相手に伝達すると言うことです
5倍に増幅されたレミーのキックの破壊力を持ってしても、もちろんロアメタル製の鎧を打ち砕くことは出来ません
しかし、増幅されたキックの威力は、ロアメタル製の鎧を衝撃波として伝わり、鎧の内部に伝達したのでした
レミーは、最初から この戦法を使う為に、ガイブを挑発た後にキックの連打をして ガードをしないようにさせておいてから『レミー・ウィニングショット』を急所に決めたのでした
ガイブも、脇腹を押さえながら砂山を登ると そこには、グリーン・レイカーに乗ったレミーとモビーの姿が有った
レミーは、ガイブが追ってこないようにバードニアブラスターガンで数発 威嚇射撃をした後、グリーン・レイカーを発進させた
ガイブは、追うことなく二人を見逃すと
「くそ、一杯喰わされたわ・・・ あはははは」
と、大笑いをした
「まあ良い・・・
これで『猛虎緑湖拳』と『羅万融天の剣』の伝承者正統との闘いの楽しみが残ったわ」
そう言うと、ガイブは亜空間に消えて行った
〔あとがき〕
我らが宇宙刑事レミーこと、レミーちゃん大活躍の巻きでした(笑)
レミーちゃんも、鎧将ギ・ガイブも実在しない方々なので(笑) フィギュア合成のオンパレードになり 結構、時間がかかってしまいました
ガイブのフィギュアは1体ですが、レミーちゃんのフィギュアは、過去に作ったフィギュア総動員での撮影になりました
大変でしたが、楽しかったです
今日の折り紙
オオゴカクサイカブト