新橋演舞場にて、吉例顔見世大歌舞伎を昼夜通しで見てまいりました。



歌舞伎見人(かぶきみるひと)


まずは絵看板紹介。


↓「河内山と直侍」
歌舞伎見人(かぶきみるひと)

歌舞伎見人(かぶきみるひと)

↓左は「梅の栄」、右は「逆櫓」
歌舞伎見人(かぶきみるひと)

↓「都鳥廓白浪」
歌舞伎見人(かぶきみるひと)


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新橋演舞場
吉例顔見世大歌舞伎

平成22年11月1日(月)~25日(木)


11月11日(木)昼の部


一、通し狂言 天衣紛上野初花

河内山と直侍


序 幕 湯島天神境内の場
     上州屋見世先の場
二幕目 大口楼廻し部屋の場
      同 三千歳部屋の場
      吉原田圃根岸道の場
三幕目 松江邸広間の場
      同 書院の場
      同 玄関先の場
四幕目 入谷村蕎麦屋の場
     大口屋寮の場
     浄瑠璃「忍逢春雪解」
大 詰 池の端河内山妾宅の場


河内山宗俊    幸四郎
   三千歳    時 蔵
金子市之丞    段四郎
松江出雲守    錦之助
 宮崎数馬    高麗蔵
 腰元浪路    梅 枝
   北村大膳    錦 吾
    おみつ    萬次郎
 暗闇の丑松    團 蔵
和泉屋清兵衛    友右衛門
高木小左衛門    彦三郎
 後家おまき    秀太郎
 按摩丈賀    田之助
片岡直次郎    菊五郎


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↓上演時間。最近にしては珍しく、昼の部と夜の部の間に1時間近い空き時間があります。
歌舞伎見人(かぶきみるひと)


↓ご存知の方も多いと思いますが、3階ロビーには、歌舞伎座にあった鯛焼き屋さんが復活。めで鯛焼きと

お茶を販売しています。紅白のもち入り鯛焼き、1個200円。5個セットもあります。

特に1階や2階で宣伝しているわけではないので、1・2階席のお客様には3階に鯛焼き屋が復活したことを

知らぬまま御帰りになられた方も多いのでは。ご覧の通り、客足が少ない状態でしたので、

今後も末永くこの鯛焼き屋さんが演舞場で営業できますよう、皆さま奮ってご利用いただければと思います。
歌舞伎見人(かぶきみるひと)

歌舞伎見人(かぶきみるひと)


↓3階右列22-27のブロックからの眺め。上手が見切れますので、「河内山と直侍」四幕目の清元出語りは、

全く見えませんでした。

歌舞伎見人(かぶきみるひと)


一、通し狂言 天衣紛上野初花

河内山と直侍


この作品、映像でも見たことがなく、予備知識ゼロに近い状態で拝見しましたが、

通し狂言でしたし、黙阿弥の作品ということもあって、思っていた以上にわかりやすく、面白い作品でした。


時代物の武将のイメージが強い幸四郎さんでしたが、河内山早俊のように、小気味の良い悪党役も

非常に魅力的で面白かったです。


先月の2枚目役が記憶に残る錦之助さんは、わがままで自分勝手なお殿様の役。

若々しさが、流石錦之助さんです。裃姿のときに着ておられた、紺の縦じまの小袖が綺麗でした。


「河内山妾宅の場」に登場するらしい、河内山の妾役は誰が・・・?と思いつつ拝見したところ、

河内山の妾は萬次郎さんでした。河内山は、茶坊主ということで僧の姿をしてはいますが、

坊主ではなく侍なのだそうで、本妻も妾もいる身分だったのですね。


三千歳が勤める遊郭の遣り手婆役の芝喜松さん、出番も台詞も多く、嬉しく拝見させていただきました。


舞台上で本当に蕎麦を食べるシーンで有名な「直侍」ですが、蕎麦を1杯たいらげる按摩役の田之助さん、

毎日毎日のこととなれば、流石にお疲れ様なことですね。イヤホンガイドの解説によりますと、

江戸っ子は、蕎麦は噛まずに、すすった後はそのまま飲みこむのだそうで。

ちょうど蕎麦屋に行きましたときに試しにやってみようとしましたが、蕎麦は熱いし、

啜ろうにもなかなか蕎麦はスルッとは上がってこないし、

舞台で役者さんたちがなさっていたように、ズルズルと豪快に平らげるには、

けっこうな吸引力が必要だとわかりました。


菊五郎さんの直侍は、低い声が男らしくよく響く、いい男ぶり。菊五郎さんはとてもいい声をしてらっしゃいますね。


・・・それにしましても・・・。

あらすじを予習しないまま、お芝居を見に行きましたので、段四郎さん演じる市之丞の正体がわかったときには、

ビックリいたしました・・・ (源氏店よりもビックリ度は大。)


幸四郎さんと菊五郎さんの大顔合わせが、とても贅沢な気分にさせてくれるお芝居でした。