貧困が問題を生む | 光と闇の思案

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カーディフに住むコンゴ人、コンゴの出来事を世界中に発信 - 英国

http://www.afpbb.com/article/1282826


◆無力な市民たち
 今、世界中を見渡した時、平和で豊かな暮らしをしている国、地域はどれだけあるだろう。その数は思った以上に少ないかもしれない。紛争を抱えている地域は相変わらず多いし、実際に戦争状態にあるところもある。国連は大国のエゴに屈し、本来の機能を果たせていない。その結果、とばっちりを受けるのは、必ず何の罪もない市民である。特に子供たち。彼らはただただ運命に翻弄され、降りかかる現実を受け入れるしかない。迫害され、搾取され、虫のように殺されたりもする。そういう意味では極めて無力だ。


◆原因は貧困
 紛争の原因は何か。宗教の問題、民族の問題、あるいは利権の問題。たぶんそういったものが主な理由になるのだろう。しかし、その根底には貧困があるからだと思う。世界中から貧困をなくせば、ほとんどの紛争、戦争はなくなるだろう。今、平和な生活を享受できている国は、ほとんどが資本主義、民主主義の国家である。なら、世界中がそういう国造りをすればいいではないか、と考えがちであるがそれは早計かもしれない。そういった国は(日本も含めて)、発展途上の国から搾取することで自分たちの快適な生活を生み出して来たという一面をもっている。


◆富の一極集中
 資本主義は大きな富をもたらす一方で、富の一極集中を進めることになった。富める者はさらに富み、貧しき者はずっとそこから抜け出せない、という構図が出来てしまった。それに対して共産主義は、国家の維持すら出来なくなり、その主義を捨てざるを得なくなってしまっている。以前にも書いたが、たぶん、今の人間には、共産主義を使いこなすほどの能力はないのだろう。そこでエゴを満足させられる資本主義が、最もしっくりとくる社会システムになっているのだと思われる。果たして人間は、富の集中を回避できる知恵を手に入れることが出来るのだろうか。


◆知らねばならぬ現実
 生きるために身体を売る少女がいる。本人はそれを決して望んではいない。しかし、それでも仕方なく見ず知らずの男たちに身体を預ける。自分が生きるために、そして愛する者を生かすために・・・。原因は貧困である。我々日本人は、快適な生活を手に入れた。性風俗産業に従事するオンナも、そのほとんどが自らの意志で働いている。たぶんそれは生きるためにではない。より多くの金を手に入れたいからだ。その事が悪いことだとは思わないが、その裏に、貧困のために苦しんでいる人たちがいることくらいは知るべきだろう。出来れば何か、行動するとさらにいい。今は具体的に何もすることができなくても、皆がそういう考えを持ち始めれば、いずれはそれがカタチになって現れる。きっとそれが、豊かな社会を手に入れた者が、最低限、気に掛けねばならぬ問題ではないかと思う。