なぜなら…私には
南座で観劇をするという、今回の遠征のメインイベントがあったからです
南座の看板です
いいですよね、若手が大きなお役をできる機会も
今月の京都南座はキャストを変えてAプロとBプロに分かれてます メインの役者さんにとっては2つのお役を勉強できる機会ですね〜
観客としてはどうですか?
自分の好きな役者さんが好きなお役をやっている方を観ますか?それとも、そこは二つのお役とも観ますか?
私はよく分かっていなくて、今日の「川連法眼館の場」=四ノ切の佐藤忠信は尾上右近さんだと思っていたのです。
そしたら、劇場に入ったらこれが…
お昼のを貼ったままにしてない?ホントに
まああああ
それでは私は成駒屋三兄弟の見得を見られるじゃないですかやったね!
筋書き…番付を一応買いましたが、ハズレでした 当たり券は50部に1枚入っているそうです!
当たり券が入っていたら、中村米吉くん、尾上右近さん、中村橋之助さん、中村壱太郎くんの4人のサイン入り色紙がもらえるそうです
場内の開場前のアナウンスは、Bプロは中村米吉くんと中村橋之助さんでした
そして南座の座席は、座れないお席にも桜が…
来てくれたお客様に楽しんでもらいたいっていう気持ち、随所で伝わりました
「歌舞伎の魅力」
ガイド役は中村壱太郎くんでした
義経千本桜の解説をしてくれたんですが、『鳥居前』を一人で演じてあらすじをやってくれて、とってもわかりやすかったです!壱太郎くんはしとやかな女形のイメージですが、意外に狐忠信の声色などの立役の声がかっこいい声でびっくり!何でもできるんだなぁ
そして質問コーナーでは写真撮影オッケーなんです ただしSNSに載せる時は「#南座で歌舞伎」のハッシュタグを付けて載せるように、だそうです
みなみーながアシストで出てきてました。みなみーなはゆるキャラの中では個性派で面白いですよね(笑)
「吉野山」
やー、この狐忠信はホントかっこいいですよね!
橋之助さんは狐の顔の目張りが、目の下の部分の線を大きく細く取っていて素敵でした
というか橋之助さんの舞台は、歌舞伎から離れている間 私はご無沙汰だったんですが、久しぶりにお顔を見ると凛々しくなられていてびっくりしました
あれ?橋之助さん、かっこよくない?って何度も思いましたいつの間に??
でも四ノ切で福之助さんと歌之助さんが出てくると、橋之助さんかっこいいと思ったけど歌之助さんこそかっこいいな福之助さんも赤っ面でずっと強い表情でいてかっこいいなと思います。
福之助さんはもしかしたら赤っ面よりも白塗り系のお役の方が更にかっこよくて似合うかもしれませんねシュッとした顔立ちなので
それにしても3人とも見違えるようにかっこよくなって…成駒屋の将来、頼もしいわ
中村米吉くん
ちょうど今日、28歳になられたんですってね
おめでとうございます!
米吉くんの舞台姿の後ろ姿、色っぽいんですよ〜表情も色っぽくて、あとお化粧が上手白粉がいい感じで色っぽい。米吉くんがもう28歳ですもんね〜 大人の静御前で素敵でした!
「川連法眼館」
「四ノ切」って、何バージョンかあります??
今回の狐忠信は尾上右近さんも中村橋之助さんも尾上菊五郎さんに習われたそうです。
…となると今回は音羽屋のスタイル?
幕が開いたら川連法眼と飛鳥がいる澤瀉屋のバージョンとは異なっていて、なんと旦那様のお帰り〜という声で川連法眼が花道を通って帰ってくるところからあります
そして冒頭の川連法眼と飛鳥の会話をカットしていなくて…川連法眼が妻の飛鳥の心を試すためにわざと義経を討つ!と言って、妻の飛鳥が絶望して死のうとするシーン…これもずっと前に一度観たことがあるかしら??なんだかレアシーンだなと感じてしまいました
中村橋吾さん貫禄があって、館の主人!て感じでかっこよかった声の感じも川連法眼ぽい(イメージです)
そして妻の飛鳥の片岡千壽さん…実力ある名題さん2人の演技…やはり冒頭も演技次第なのだ。冒頭からめっちゃ引き込まれました!
良い…
めっちゃ良い!
法眼夫婦
そして尾上右近さんの源義経。
もしかしたら中村梅玉さんに習われてます??
なんとなく台詞の感じが似ていたような
私は尾上右近さんの狐忠信なんだろうなぁ〜と思って南座に来ていたのですが、右近さんは源義経 それが…なかなか良いめっけもんて感じでした
橋之助さんは狐パートよりも佐藤忠信の時の方が印象的かな
お顔の凛々しさもあって、そう思いました。橋之助さんに関しては、いつの間にかっこよくなったんですか?って感じなので…何年か前に見たけどね〜って方はぜひ今月の南座に行ってみてくださいもうビックリですよ
中村米吉くんの静御前は色っぽいです
あのツルッとして可愛かった米吉くんが…『娘』って感じだったのに、今では人妻も似合いそうな色っぽい女形さんかぁ… と、これまた感慨深くて 表情もですが、後ろ姿の色気がすごい 後ろ姿で見惚れてしまうのは坂東玉三郎さんです。そんな風に、美しい女形は後ろ姿も美しい米吉くんの後ろ姿もとても良いですよ〜
美しいわ
亀井六郎(福之助さん)と駿河次郎(歌之助さん)が出てきて、忠信を連れて行くところ
心の中で
成駒屋ー!!
でした
三兄弟が揃って見得をしてみんなできまるシーンがですね、自分で思っていたよりずっとずっと嬉しくて…
座席で心の中で
きゃーっ
て感じでした(笑)
成駒屋のファンや贔屓の方はぜひ観に行ってください!思ってる以上に「きゃーっ!」てなりますよ芝翫さんは今月いらしてないけれど、まだ子供だと思っていた三兄弟が立派な大人になって御目見えですので
なんて嬉しいのかしら…
成駒屋好きなら遠征する価値アリアリですよ
橋之助さんの狐は、台詞にちょっと面食らうところがあります。狐言葉って、多分とても難しいはずですしかしまだ公演の序盤ですから、回を重ねる毎に自然になるのだと思います。若い方は吸収の幅が凄いからね
でも…初役でこれだけできたらとっても立派だと思うし、喜んだ表情がとってもチャーミングでしたし、あれなら会場を魅了できる欄干渡りも上手かったです
というか、橋之助さんが四ノ切をするなんて…本当は昨年の巡業でやる予定だったんですけどね。そんなに大人になったのねぇってしみじみしてしまうなぁ…
澤瀉屋の「四ノ切」のドキュメンタリーを何回も見ているので、狐忠信が静御前の鼓に引き寄せられていきなり現れるあの場面も、
「ああ、今頃は成駒屋のみんなが一丸となってスタンバイしてるのかしら〜…あの合図を出すのは狐役の役者さんだって猿之助さんが言ってらしたわ。橋之助さんがやるんだよねタイミング大丈夫かしら? 「出があるよ!」って言ってるのもご一門のはず。(あれは橋吾さん??違うかな?)お願い上手くいってね!!」って、成駒屋の演目となるとそんな心境で見てしまう…
ついつい澤瀉屋のケレン味溢れる登場の仕方のイメージが強いと、「橋之助さん、あれできるのかしら?大丈夫かな、怪我しませんように…」なんて思ってしまいながら観ていたのですが、音羽屋型は狐は安全なところから登場するので私の心配は杞憂に終わりましたよかった
荒法師アリのバージョンでしたが、荒法師は3人でした。荒法師の中に、一人で橋之助さんを乗せて支える人がいる!!
かなり大変です。杖で一所懸命踏ん張ってるのがわかる見得が決まった時に、その役者さんに「がんばったね、えらい!!」って思いました(童磨じゃないわよほんとに思いました)
ラストに木に登った橋之助さんの狐を見る尾上右近さん(源義経)が「やるね〜」みたいな顔で狐を見ながら「フフッ」という感じの笑顔だったのが、見ていてとっても嬉しかったですああ、いい仲間なんだなって思いましたし、尾上右近さん、いい人なんだなって感じました。
一座の雰囲気が良い公演は、観ていて更に楽しいというマジックがあります
三月花形歌舞伎の南座も、きっとそういう公演ですよみんな歌舞伎が大好きな役者さんばっかりなので、丁寧に作ってくれると思います
行こうかどうしようか悩んでいる方は出かけてみてください
天井に近い三階席は当日券もあります(三階席ならお安いですし)
ちなみに竜雲は三階の最前列だったんですが、手すりも全く気にならずとても見やすかったです舞台も近かったです!南座はこぢんまりしてていいですね
いっぱいブログを書きました(笑)
「川連法眼館」についてはまだ別記事に書くかもしれません
それでは皆さん、良い夜更けを〜