歌舞伎座、昼夜雑感 その1 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

皆さん、こんばんは~ラブラブ竜雲です。

なんと竜雲は本日は「壽初春大歌舞伎」
昼夜通しだったのですニコニコ

今月のヒロインは花魁が多いな~。
昼夜見てたら、わちきまで花魁言葉になってしまいんすが、許しておくんなんし

私的には昼の部の方が好きです!!
ざっくりと書きます。

雑感。
「廓三番叟」
短い演目。三番叟なの?これも?
三番叟といえば、千歳とか翁とかが舞うものだと思っていたら、これは花魁(片岡孝太郎さん)と新造(中村種之助くん)と太鼓持ち(市川染五郎さん)の踊り。孝太郎さんの傾城姿が豪奢でした。南天のついた鈴で舞台をお清め。華やかでしたキラキラ染五郎さんを久しぶりに拝見。やはり好きな役者さんの一人ですニコニコ

正月といえば廓なのか!?
花魁の衣裳が豪華だから?

「鳥居前」義経千本桜

門之助さんの義経、静御前に随分冷たいのですが、端々に静を想っている様子が現れていてラブ
やっぱり義経は門之助さんのものよね!!義経、ハマり役ですよね~音譜
複雑な立場の憂いを秘めて…四天王がお護りする気品溢れる大将なのですキラキラ
とはいえ静との別れはつらく、つい情け(愛情)をかけそうになるが…という苦しい御大将の気持ち。それでもひたすら想う静御前。
男冥利に尽きますが、こんな素敵な義経様じゃムリないでしょうね~。


橋之助さんの狐忠信もかっこよかったですビックリマーク
荒事仕様なんです!狐とは思えない勇ましさ!「四ノ切」の時みたいな、あんなナヨナヨした感じじゃないんですウシシ荒事!
それにしても橋之助さんの隈取りが綺麗でした~おねがい流れるような曲線で本当に綺麗な赤い隈なんですキラキラ
花道で狐の手でポーズをしたところも、かっこよかったですね~。

義経が忠信に自分の名前を与える段なので、これを見たら「四ノ切」で言っていたことが「なるほど!」と思えました爆笑!!

静御前(中村児太郎さん)はこの段では義経につれなくされてもされても、「我が君様について行きたい。連れて行ってください」と願い、挙句の果てには縄で木に縛られても、それでも義経と一緒に行きたいと願う…
よっぽど義経のことが好きなんだなぁ(しみじみ)
静御前て「吉野山」と「四ノ切」の前にこんな苦労したんだな…と思いました。義経のことを信じているから追っかけて行ったんですね
「我が君様、お懐かしゅう存じます~る~」どころじゃない苦労だったのだと初めて解りました。
静御前のことを見る目が変わりました。ちょっと好きになりました照れ

「梶原平三誉石切」

有名なのは知っていましたが、初めて見た演目です。

吉右衛門さんが大きく、見甲斐がありました~照れ お話は最後までハラハラあせる
どうなっちゃうの?
中村歌六さんがお父さんの六郎太夫のお役。
命捨てる覚悟で目をつむって座っている姿に少しウルッとしましたぐすん
最後は何もかもハッピーエンドで良かった音譜クラッカー
途中まで「そんな~お父さんが娘夫婦のために犠牲になるこんな話でいいの~ショボーン?」と思ってました。

「茨木」
松羽目物。玉三郎さん、老婆のお役。(伯母真柴)
老婆ですがなんだかレオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンのような、西洋の彫刻のような美しさがありました。ずっと写真で見てきた姿が眼前にキラキラ
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またほっぺのシェードの入れ方に目が釘付け!
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渡辺綱は尾上松緑さん。なんと渡辺綱の拵えだと文楽の人形にそっくりでしたびっくり!!

玉三郎さん、この茨木の鬼は眉毛がすごいゲジゲジ&ボウボウなのです!!蛾の触角のような眉毛でした!
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ついつい玉三郎さんのインパクトで。

レポの方に書こうと思ってましたが、書いちゃいますウシシ
間狂言、門之助さんが士卒で踊られるんです~ラブ 間狂言とはいえ道化のようなのではなく、

か、かっこいいキラキラ

踊られるのです!!間狂言のパートナーは鴈治郎さん。夜の部で『廓文章』で玉三郎さんに夕霧で付き合っていただいているから出てらっしゃるのかしらニコニコ
しかし門之助さんかっこいいな~!!!!
義経も良かったですが、士卒がかっこいい!門之助さんには古典のこういうお役をいっぱいやっていただきたい~~。いっぱい古典に出ていただきたいわラブラブ音譜

夜の部

「猩々」

これは…シュールな演目でしたにやり
この拵えの中村梅玉さんと中村橋之助さんが…
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ひたすら『じりじり』をしながらお酒を呑みまくる演目です(笑)
赤い髪にオレンジ色の着物。
猩々というからは、狸なのか?これは狸なのかびっくり!?と思いながら観劇した竜雲。

…失礼しました。
「猩々」とは架空の生き物で、Wikipediaを見るとこういうものだったようです(笑)
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なるほど、劇中のお二人の姿によく似ています!

途中、杯を振りながら舞ったりします。
梅玉さんの美しい風情に目が奪われましたキラキラ
橋之助さんもかっこいいニコニコ
梅玉さんと橋之助さん、ご一緒の演目が多いですね♪目をかけていただいてるのかなぁ。
梅玉さんも時代物のお役がよく似合われますし、橋之助さんも。

紀尾井町さんは酒売りのお役。
猩々たちにお酒を飲ませてあげるんですよ。
途中からは勝手に飲んでいたみたいでしたが…

最後は、紀尾井町さんが舞台真ん中で扇を挙げ、猩々二人が花道から去ってゆきました…
なんてシュールな…汗

『じりじりしながらお酒を飲む演目でした』と一言で言うならそんな感じでした。

家に帰ってチラシの裏を見ると、なんと猩々たちはいくら飲んでも尽きない酒壺を酒売りに与えたんですって!! 知らなかったです(笑)そうだったんだびっくり

長くなったので、また~デレデレラブラブ