今までは花外からの眺めでしたが、本日は3階正面から。
国立劇場の3階って、全然舞台に近いですよね!こんなに近かったっけ?と思いました。高さがあんまりないからかな?
本日は1階席は満席、2階席も両端ブロック以外はほぼ満席、3階は人がひしめいてぎっちりで御座いました(笑)
最初の場は「白子屋店先の場」。
坂東秀調さんが善八さん、ヒロインお熊(中村児太郎さん)の母親が中村歌女之丞さん。
このお母さんがお熊の合意なく、勝手にどんどん結納まで済ませて婿を取ろうとするのです
白子屋を守るためにお金が要るから、娘よ婿を取ってくれ!と。。。
この婿役が中村松江さん。いっぱい「加賀屋!」「加賀屋!」と大向こうが飛んでました。
松江さんなのでいい人に見えますが・・・お熊の心は別にあって、泣くばかりなんですよ。
★ここで訂正★
竜雲は・・・観劇中ずっと、松江さんがお婿さんだと思っていたら。。。
たった今、松江さんはお婿さん役ではなくて仲人さんだと教えていただきました
てっきりてっきりお婿さんだとばかり。
頭の中も訂正いたしまして、次回観劇をしようと思います
この件は、本当にお熊が可哀想です。
母親が娘に内緒で勝手に縁談を決めて結納まで済ませているわけですから。
善八とその姪のお菊(中村芝のぶさん)が「お返事は?」「お返事は?」と迫る中、「いいんだ、母が悪いんだ。
仲人衆に申し訳ないから、私が淵川に身を投げて死ぬより他にない」なんて言うんです
これ、言われた方はつらいです このお母さんと私の母の性格が少し似てまして、すっかり私は娘に感情移入でした(笑)まあ随分ひどい話だなーと思いながら見てました。でも母には勝てないのですよ
お熊は泣きながら縁談を了承します。(でしょうね)
お菊(芝のぶさん可愛いな~)が、「こうなったからは恋人の忠七さんにこれまでの縁と告げなさい」みたいなことを言うんです。そんな話をしている下手から登場が、門之助さんの手代忠七なのですo(^▽^)o
お菊とお熊が並んでいると、お熊のお化粧は真っ白(舞妓さんみたい)なのですが、お菊(芝のぶさん)のお化粧は少し肌色味が混じっていて、色が違うことに気づきます。門之助さんの手代忠七も、福岡貢みたいに真っ白ではなく、ちょっと肌色味が混じっているのです。
ヒロインお熊は忠七にぞっこんです
忠七はお家に仕える身ですので、縁談も面白くはないけれども仕方ないと思っている様子ですが、お熊は「障害があるほど愛は燃えるのよ!」状態です。「わしゃ婿は取らぬ、連れて逃げて給いのぅ・・・」と涙です。
門之助さん=忠七はずっと困り顔。
「こりゃどうしたら、良かろうか~」と悩む忠七。
(この辺は関西のボンボン系に似たなよなよっとした感じなのかなと思う門之助さんのお役です)
ここで下手から主役の髪結新三(中村橋之助さん)が現れて、この話を立ち聞き。
気づかれないように抜き足差し足で来た道を少し戻って、まるでコメディのように足音を立てて(ここ面白いですw)今来ましたよ、とばかりに「忠七さん!」と声をかける新三。
髪を結う日なので、と来たんですって。廻り髪結(出張美容師みたいなもの)って面白いですね~
「ざっと撫でつけてもらいましょう」と頼む忠七。
新三が忠七の髪を撫でつける仕草が面白いのです。油みたいなものをちゃちゃっとつけて、手慣れた感じで撫でつけて、丁髷の毛先をはさみで整えたりして・・・w 江戸時代のおしゃれを垣間見ることができるのです
そして、橋之助さんと門之助さんのがっぷりのお芝居はなかなか見れませんので、おお新鮮だ!と思いながら拝見したワタクシ。
新三がふてぇお役、忠七は気弱なばかりの手代さんなので、実年齢は門之助さんの方が橋之助さんより上ですが、門之助さんが本当に世間知らずなピュアな若い手代さんに見えて仕方なかったです
ここでの新三さんは、いい人なのですわ。
煮え切らない忠七に「お熊さんを連れて逃げておやりなさい」と言ってあげて、「行くところがなかったらうちに来なせぇ」なんて言うのです。
やや、髪結新三さん。いい人ではないですか~
ここで、町の長屋の長松という子がやってきて、「新三、見つけた!そこ 動~くな~!!」と歌舞伎口調で、ぐるっと首を回しながら言うのですw
この子役さんが可愛いのですけれど2人で交代でやってます。
歌舞伎体操教室でご一緒したことがある日下部大智くんは本当に可愛くて、明るい声がよく通ってうまいです。(今日はもう一人のほうでした)
子役さんの見得を見る時の橋之助さんと門之助さんの笑顔、素なんじゃないかってくらい、良い顔で笑ってらっしゃいますので皆さんも見てみてくださいね
長松「今においらは役者になるのだ!」
新三「そんなみっともねぇ役者があるものかw」と言いつつ、子供と一緒に退場する新三。
この場での新三って、かなりいい人だと思いますよね~。
丁稚さんに引かれて、新三は下手に引っ込みます。
やっぱりこの場の新三さんっていい人ですよね。
・子供にも好かれている
・駆け落ちの背中を押してあげる、頼りになる人
・面倒見が良くて優しい
舞台にひとり忠七。
「新三が今の親切話。こりゃもういっそ義理を捨てて、思案を変えねば・・・」
と戸を閉めたところに入る『チョン!』。
これからご観劇の方へ。この一瞬が今月の門之助さんの唯一きりっとした場面ですので、ぜひぜひお見逃しなく(あとの場面では泣き顔と困り顔のオンパレードです(^_^;))
ここで決意の忠七!
しかし「決意」の場面ではありますが、この忠七という人はどこか頼りなくて・・・
門之助さんは頼りになる強い親分のお役から大将のお役まで演じられる方ですが、この忠七は、ここで一瞬ぱりっとしてもどこか気弱感を漂わせてまして・・・これも演じ分けなのですね
忠七は肚(ハラ)が強い人ではないのでしょうw
しかし、歌舞伎の台本を今月も買ったのですが、ここの門之助さんのキメポーズで幕のところも
「ト、よろしくある」と書かれているんですが・・・歌舞伎の世界では「よろしくある」と書いてあればこういうもの!っていうのがあるのでしょうか。あるのでしょうね・・・
いい終わり方の余韻だったら「よろしくある」??
ともあれ、これでめでたくかけおち話が決まったかな、というところで幕。
レポは2に続きます~
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