「金幣猿島郡」レポ2@「十月花形歌舞伎」新橋演舞場 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

皆さん、おはようございま~すラブラブ竜雲です。

日曜日ですね。竜雲、二度寝しちゃいました(笑) ・・・お仕事なんですけど。
でもなんとなく日曜日な気分~ぐぅぐぅ

さぁ、レポの続きを書いてから行きます。

幕が開くと橋姫社。舞台は宇治ですね。

源頼光(門之助さん音譜)と七綾姫(米吉くん)は、先刻の清姫から逃げてくるんですけれど、七綾姫が癪を起してしまったので橋姫社の中で休んでもらい、頼光は水を汲みにいきます。

花道から、荒れくれた公達姿の猿之助さん。=忠文。将門に味方をしたという咎で、朝廷から財産も没収されて味方もいなくなり・・・そういう身の上です。傘も破れ傘。凋落っぷりが見てとれます。


花道七三のところで、忠文が語るには、七綾姫(米吉くん)からの手紙に「兄 将門の味方をしてくれたら色良い返事をしても良い」と書かれていて、その言葉を本気にしてしまって将門の味方をしたところ、現在の凋落の憂き目に遭ったということです。

「これもひとえに七綾姫のため」みたいなことを言っていたと思います。

猿之助さんは女形も可愛いですが、やっぱり立役姿を見ると立役のほうがいいなって思ってしまいます音譜

で、この忠文が可笑しくて、橋姫社の前で重厚に祈りを捧げるんですが、
「どうか頼光、七綾の仲を引き裂いてください」

まるで恋する小学生?のような祈りを捧げるんですよ!(忠文、案外かわいいところがあるんだ・・・ニコニコ笑っちゃいましたよ☆)

そして「七綾の居場所を教えてくださらぬなら、この命を絶ってください!」と。(思い詰めてます)

するといきなり橋姫社に雷が落ちて、中から「あれぇーーーー」という女の声。
タイミング良すぎて可笑しいです(笑)

忠文が「怪しき女」と引き出すと、なんと恋しい恋しい七綾姫なのでした!

「手紙のせいで迷ってしまい没落してしまった。せめて一夜枕を交わしてください!」と迫る忠文。
「七綾を抱かずにいられない!」みたいなことを言っていたかと思います。

私、これ思うんですけど、七綾姫が悪いですよね。
兄の将門の味方をしてくれたら色よい返事をします、と手紙に書いていたんですから、そこは守らないとね。

頼光という恋人がいながら、忠文にそんな手紙を書くなんて・・・実は憎からず想っていたんじゃないの?なんて。 七綾姫、悪い女の人だわ目って思ってしまったんですが、皆様はいかが思われましたか?

その場に門之助さんクラッカー・・・頼光が通りがかり、七綾を連れて逃げます。(ヒーロー役、似合ってらっしゃいます。しかし七綾は悪女です)

猿弥さん扮するお坊さんは、頼光・七綾側に寝返って、忠文をとどめます。

船で逃げようとするんですが、船頭は市川欣弥さん。
頼光・七綾が乗り込み、逃げようとするところを追ってくる忠文。やらぬ、とお坊さんの猿弥さん。

この舟は人力で、後ろを人が押してます。
そして花道の七三のところで七綾が気絶、頼光は口移しで薬と水を飲ませてやりますラブラブ
きゃーキスシーンです~ラブラブ(と、観客が「きゃー」と思うところですねぇ♪竜雲は「ひゅーひゅー」と言いたかったです。言わなかったですがw)

そうして去ってゆく二人。
この演目ではどこまでもいちゃいちゃしている頼光・七綾(笑)

そしてその頼光を門之助さんがお勤めです。竜雲、この演目は心の中で「ひゅーひゅー」言いっぱなしでした(笑)

後に残された忠文は、そんないちゃいちゃしているところを見せつけられて、嫉妬の念は限りなくなっているのに、そこを猿弥さん=お坊さんに「口移しでなんとかかんとか。今夜はあの美しい姫を手籠めにするんだろうねぇ」みたいなことを言って、ますます忠文の嫉妬が燃え上がりますメラメラ


そのうち、忠文の顔が鬼になってしまいました!! 嫉妬で!!
image

ポスターの右半分です!キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

で、なぜか「鬼になれ、なってしまえ」みたいな感じで、猿弥さんが忠文が鬼になるのを手伝ってあげるんです。私にはそう見えてしまいました。結果、ものすごい情念の塊となり、忠文は二人を呪って鬼になりました。

最後に沼に入ってゆくんですが、くわっと剥いた顔、さすが変化のお役はお手の物の猿之助さんでした。
いいね、いいね!

そうして、頼光・七綾を恨む者がまた一人。

舞台は燃える火のように(恨みの火ですわ)赤い布が落とされ、そこを清姫の化身である蛇体が泳いでやってきます。この蛇を操っているのも役者さんだと思うのですが、うまかったですよね~。ほんとに蛇が泳いでいるみたいでした。「誰が操っているの?」って観劇メモにも私、書いちゃってました~。

そして清姫の蛇体+忠文の化身の鬼が、花道のところで一体となってしまいます!

ここで、なんと合体して宙乗りなんですよ!

斬新だ・・・エヴァンゲリオンどころのお話ではないです。

猿之助さんにもものすごく覇気がありまして、この観劇回の時、良かったです~!!

ここの宙乗りは、なんと上からヒラヒラと金色のテープを細かく切ったもの(そう書くと綺麗に聞こえませんが、実際に降ってくるのはとってもきれいなのです)が舞って落ちてきます。

とうとう・・・邪体がひとつとなって、頼光・七綾に復讐に行くのですよ~。

宙乗りの時、2階や3階の人、遠慮せずに「キャー!」って湧いちゃってくださいませ☆1階で見ている時も、上の階の方が湧いているのを見るのが大好きです。

(先日は私も3階で湧いてしまいましたがw)

そして吸い込まれていった邪体!
猿之助さん、変化のお役(化け物のお役)いいですね~!!

そんなところで幕。

さぁ、次の場では双面道成寺ですよ!
それはまた次のレポで~。
それでは~ラブラブ