「怪談乳房榎」レポ2@「八月納涼歌舞伎」歌舞伎座 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

というわけで歌舞伎座ニューヨークのレポ続きです☆

怪談乳房榎レポ1  ←私の感想レポ1へのリンクです

料理屋のお座敷(二階)の場面。

浪江と蟒(うわばみ)三次は悪事の相談。お互いに手を組むことになります。
三次が立ち去る時に下男の正助がやってきます。
(三次も正助も勘九郎さんがお勤めのお役なので、同時に舞台に2人は出られないのです・笑)

「下男の正助さんが来ましたよ」と言われると、三次は「おいらはこれにて失礼するぜ」みたいな感じで立ち去るのです。観客はわかってますから、客席からは笑いがw

三次が階段を先に降りて、正助が昇ってくるのです。ここの早替わりも早いですね♪
正助の「これでも急いで来たんだがなぁ」という台詞も、狙っているのかとっても面白いです(笑)
正助はもう酔っているからお酒はいらない「Too much Sake」って英語が混じります(笑)
ニューヨークバージョンならではの笑いが随所に。

浪江がそれでも正助にお酒を飲ませるんですが
「これ、お椀の蓋じゃないか」「シイタケの風味まで楽しめ!」というところは、このバージョンならではでしたしょうか?

浪江の獅童さん、この場でも良かったですね~。
こんなに良い獅童さんのお芝居は、私は初めて拝見しました。歌舞伎の色悪みたいなお役はいいんだなぁ、としみじみ。全然台詞回しも良かったですし。

浪江は正助に「兄になってくれ!」と頼み、兄弟の誓いを立てることになります。

で、正助が仕える菱川師宣が、元は「まよじまよそうじ」という侍だったことが判明。
浪江は「それは親の仇だ!討たせてくだされ!」(観客、あまりのことに笑いw)

涙ながらに身の上を語る浪江に、「かうぇえそうだ(可哀想だ)」と、よしよし。としてあげる正助が好きです(笑)竜雲がきゅんとしてしまうポイントです(≧▽≦)
でも浪江に賛同してしまうと、大恩ある菱川師宣先生を倒さないといけませんあせる

浪江は随分ムチャな人間で、やり方はチンピラと同じです(笑)
「心を打ち明けたからは、協力してもらえないなら死んでもらう。協力して(菱川師宣を)討たせてくれるか?それとも命をもらおうか」と脅すんです。
死にたくない正助は、協力することになります・・・

って、第一部の「恐怖時代」での中村勘九郎さんのお役、珍斎も「命を取ろうか、協力するか」と脅されて命惜しさに悪事に加担するお役でしたね(笑) 勘九郎さん、今月はこういうお役が多いなぁ(笑)

ここで幕☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

幕の前だったか花道だったか、また解説の役者さんが出てこられます。
どういう経緯だったか覚えておりませんが、私の観劇メモには
「Friend in need is a friend indeed」(危急の際の友こそ、真の友である)ということわざがメモられておりました。例の、発音カンペキな役者さんが言っておられました。しっかりメモしていないと、前後関係がわかりませんねあせる

また、ニューヨーク公演ということで、「ロード・オブ・ザ・リング」(竜雲の大好きな映画です!)ネタもあり、
もう一人の役者さんがゴラムのマネを披露(笑) 

「My~~~ Pre~cious!!」とゴラム歩きまでやってくれてましたが、ロード・オブ・ザ・リングを見てらっしゃらない方には「??」だったことでしょう。私はバッチリでしたよ♪
「The Lord of the Rings」(指輪物語)は、映画館に12回行ったくらい大好きなのです☆

ここでゴラムのマネをしながら、2人の役者さんたちは花道から引っ込みます。

開く幕☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

花道から菱川師宣が、正助に蛍を見ようと言われてやって来ます。
(正助はおびき出しているだけです)

菱川師宣は、磯貝浪江にあっけなく斬られてしまいました。

この場面は、斬られる菱川師宣と、浪江に「お前も手伝え」と言われて早替わりをする正助が面白くて見ものです♪ 

浪江と三次のだんまりも面白いです。

それに加えて、花道では逃げるように去ってゆく正助と、うわばみ三次との早替わりもあります。
傘と簀子を使った、歌舞伎の早替わりの中でも一番「どうなってるの!?」と思う、あの早替わりです!

この場、私が舞台に見とれてしまっていたのかメモが疎かだったので、歌舞伎座さよなら公演のDVDを見ながらお話の流れをさらいながらレポ書いてます。
(歌舞伎座さよなら公演では磯貝浪江が中村橋之助さんで、これまたかっこいい)

花道から去ってゆく浪江。舞台には三次。

幕。

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

幕が開くと、場面はお寺です。

正助が走ってきます。「先生が殺された」とお寺の衆に告げます。

でも菱川師宣先生はこれからお寺に来られると!
正助が騒ぐので、みんなに後ろにひっこめさせられます(笑)

住職雲海は片岡亀蔵さん。住職と一緒に、なんと菱川師宣が!
(あっ、ごめんなさい。今の今まで「菱川師宣」と書いておりましたが、この演目の中では「菱川重信」というお名前になっているようですあせるなので『重信先生』が正しいですね☆)

先生が普通に花道から歩いてくるので、これは一体どういうことかしら?と思いました。
そうすると、先生は龍の両眼を描きに現れたのです。
「これにて思い残すこともなし。あら嬉しや 喜ばしやな~」と云い、先生は仏壇の中に消えてしまいます!!なんと、やっぱり殺されていて、やっぱり幽霊だったんですね~。

「ああっ!今のは確かに先生様~」という正助の勘九郎さん。早替わり、早い!

「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ」と唱える正助。

幕。

納涼歌舞伎らしく、幽霊が登場いたしましたね~。ニューヨークでも、幽霊が仏壇にひっくりかえって消えるところはウケたのではないでしょうか音譜 斬新な歌舞伎の演出技法には、現代の日本に生きる私たちも感動いたしますもの。まして西洋の文明の中の人々には、もっと新鮮だったことでしょう!

幽霊も出てまいりましたし、夜の歌舞伎座のお写真を載せてみました~

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さて、レポは3に続く~♪

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