「猿之助修羅舞台」を読んで | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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皆さん、おはようございま~す♪先日読み始めた三代目 市川猿之助著(現・市川猿翁さん)「猿之助修羅舞台」を読み終わりました~。

ご本人があとがきで書いてらっしゃるように、この本に歌舞伎みたいに外題をつけるとしたら「えんのすけいいたいほうだい」なんだそうです♪

(写真は表紙、それから私の書きかけの三代目 市川猿之助さんの油絵を並べてみました~)

芸のこと、猿之助歌舞伎が生まれた経緯、歌舞伎の将来について考えること、ご自分の夢などについて、率直に書いてらっしゃいます。

「役者は芝居好きであれ」という名言。お芝居も「好きこそものの上手なれ」なのですね。猿翁さんのお父様は芝居好きなタイプではなかったそうで、猿翁さんはお祖父様と話が合ったそうです。

また、歌舞伎をいかに時代のお客様に合わせるか。ということも書いてらっしゃいます。
私、すごく共感したことがあるのですけれど…「あんなの歌舞伎じゃないよ」という言葉。それは、そう言う人の中にあるイメージの歌舞伎像と違っているだけですよね。どれが歌舞伎だなんて、言える人はいないと思いませんか?

だって、歌舞伎というものは型はあっても、演じる役者さんによって個人演出が違いますし、この本を読むと中味がダレないようにテンポを変えたり、要らないところはカットしたりしているみたいですもの。その時、その時によって違うもの。(敢えて変えている場合もアリみたいですし)

だから劇場は一期一会なんだなぁと思った次第で御座いました。

私の中の歌舞伎の好みと違う役者さんもいらっしゃいます。「あれは歌舞伎じゃない」とは言いません。「好みじゃない」「好きじゃない」という言葉でカタがつきますもの(笑)その好き嫌いが見る人によって違うところも面白くて好きなのです(^o^)

海外でウケなかった演目ワースト3のことも書かれてました。
三代目猿之助さんも河竹登志夫さんから聞いたそうですが「娘道場寺」「車引」「勧進帳」だそうです。

実は「娘道場寺」は舞踊演目の中では、私の中の上位には入っていません。特に思い入れのある演目ではない、ということです。(私のベスト3は(現時点では)「鷺娘」「二人椀久」「積恋雪関扉」です♪)

娘道場寺は歌舞伎の演目の中では「女形の集大成」みたいな演目であることは知っています。でも私は特に白拍子花子を愛してるわけではないのです(笑)あんまり萌えるモチーフではないのです。
六代目 中村歌右衛門さんの白拍子花子はモチーフとして綺麗なので、いつかちゃんと描きたい気もします♪

「車引」は見たことがないのでわかりません。

「勧進帳」は、あのテンポが外国ではウケないのでしょうか~? 義経と弁慶の関係や、時代背景などを解っている人でないと味わえないからだろう、と三代目猿之助さんは分析しておられました。

そうしたら、今度海外公演をされる時には、「歌舞伎のみかた」みたいに背景を説明するコーナーと手渡し資料を作ったらいいですね♪

まあ、そこまでしなくても、そのままでウケる演目が歌舞伎には沢山あるので、それを上演した方が早いでしょうね(笑)

三代目の猿之助さんがこの本を出されたのは昭和59年です。

この頃には歌舞伎は高尚趣味に走りすぎる嫌いがあり、「博物館入りになるか庶民が楽しめるものになるかの岐路」だったそうです。

平成の今は…チケット代こそは高いですが、私のような一般の者がこうやって歌舞伎ブログをやる時代ですので、だいぶ歌舞伎の面白さ、ワクワクドキドキする新鮮な気持ちを味わう人口も増えたってことの証拠ではないでしょうか♪

三代目の猿之助さんが監修された「ヤマトタケル」にも燃えさせていただきましたし、私が見に行けなかった「新・水滸伝」も元気がもらえるようなお芝居だったと、ブログを通してのお友達筋から伺っています。

凄い方ですよね、三代目の市川猿之助さん(現・市川猿翁さん)。

で、可笑しかったのは「猿之助のために劇場を建ててやるよ」というパトロンが現れないかなと書いてらっしゃったこと(*´ω`*)♪アラブの石油王クラスでないとダメですって(笑) 「一千億円あれば何とかなるかな」ですって(笑)(劇場の建設費、経営資金込)

私の友達が、宝くじに当たったら劇場を建てたいと言っていたのを思い出しました(^o^)

私なんて「八代目 市川門之助舞台写真集」を出版したい。で、門之助さんにも寄贈して、大切なご贔屓さんには配っていただけるように手配をする!という希望なので、劇場経営と比べると小さなものですわ(笑)

無論私は歌舞伎の油絵作品を毎日描いて、予算ぐりを気にせず、バンバン遠征に行って最前列でじっくり見て受けた感動を絵に生かす…と。
誰か私にもパトロンになってください(笑)

面白いですね(笑)
それでは、皆さん今日も良い1日を~