投稿時点でビットコインは一気に73万7千円を越えてきました。

 

現在ビットコインドミナンスは2017年12月以来の58%を記録しており、ビットコインへの取引集中と独歩高が続いております。2017年も他のアルトコインの上昇はビットコインとタイムラグがありましたし、イーサリアムも上昇基調となってますのでそれ程気にすることはないと思いますが、問題はビットコインの上昇理由と今後の行方であります。

 

そこで現在考えられる上昇理由を箇条書きにしてみました。

 

 

1) ビットコインは半減期(マイニング報酬が半分になってしまう時期)の1年前くらいから上昇することを歴史的に繰り返しており、過去においての強いサイクルは2012年12月にビットコインが半減するおよそ1年前の2011年11月に、2016年7月に半減する直前に2015年8月に起こっていることから  次の半減期である2020年5月11日の1年前、つまり今月から非常に強いサイクルに入っている可能性があります。

 

 

 

2) フィデリティの仮想通貨市場参入、ビットコインのカストディ(資産の保管、管理)サービス「FDAS」の3月提供開始も大きいと思われます。  カストディサービスは、米仮想通貨取引所Coinbaseや国内では野村ホールディングスも提供を始めていますが、機関投資家の仮想通貨市場参入やビットコインETF承認にはカストディの整備と強化が不可欠と言われているだけに土壌が整いつつあると思われます。

 

 

 

3) ライトニングネットワークが実用段階に近づきつつあることも上昇要因になると思われます。                                                                                                                              

ビットコインの欠点とされる処理速度、手数料、スケーラビリティなどの問題を解決するにはオンチェーントランザクションからライトニングネットワークによるオフチェーン上のセカンドレイヤーペイメントプロトコルに変更する必要がありますが、2019年3月16日時点でのネットワーク容量は1,056.80BTC となっており、過去30日間で54%増加したとされ、ライトニングネットワークの採用事例が増えつつあるとされています。           

                                                                                                        

 特にツイッター上でライトニングネットワークでのビットコイン送金が出来るようになったことは大きいと思われます。ライトニングネットワークの一般レベルでの普及が進むことがビットコイン普及には不可欠と思われます。

 

ツイッターの創始者Jack Dorseyがビットコイン推しなのは昔から有名ですが、「世界は最終的には単一の通貨を持ち、インターネットも単一の通貨を持つ。私の個人的な信条では、それはビットコインだろう」という意見には基本的にイーサリアム推し、リップル推しだった私としては同調は出来ませんが、「ブロックチェーンの今後の新しい技術によって、ビットコインはもっと親しみやすいものになっていくだろう」という意見には賛同します。

 

 

 

4) ビットコインのブロックチェーン上におけるトランザクション数(取引数)は上昇を続けており、4月2日に4億取引を超えてきています。過去最高のトランザクション処理数は、仮想通貨バブルの真っ只中である2017年12月14日に記録された約4億9千取引となっており、4月2日のトランザクション数が仮想通貨バブル期に記録された値の80%にまで迫ってきていることになります。              

 

トランザクション処理数とビットコイン価格にもある程度の相関性があることから今後とトランザクション処理数の増加と共にビットコイン価格の上昇を予測する向きもあります。   

 ファンドストラッド社のトム・リー氏もそのひとりでブロックチェーン上でのトランザクションの増加、200日移動平均線の突破、機関投資家の関心復帰等から2020年に最高値(220万円)更新を予想しています。

 

 

 

5) 仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創業者で元GSのノボグラッツ氏はCNNのインタビューに対し、ビットコインの上昇要因として「デジタル・ゴールド(金のような価値保存の手段)」としての役割を挙げ、2021年には過去最高値の220万円をクリアすると予想しています。実際ゴールドのチャートとの相関性を指摘する人は多いようです。

 

 

 

6) フェイスブックが仮想通貨関連広告の規制緩和を行い、ブロックチェーン技術や仮想通貨業界ニュース・イベント情報広告の取り扱いを再開することも追い風になると思われます。      フェイスブックでは米マサチューセッツ工科大学のクリスティアン・カタリーニ教授が関わったとされる独自コイン「Libra(リブラ)」の開発も進んでいるようで、これも追い風になると思われます。

 

 

 

仮想通貨とブロックチェーンは運命共同体的なものだと思いますが、ブロックチェーンビジネスが実用段階に入ってきているようです。

2019年は様々なブロックチェーンプロジェクトが実現し始める重要な年になるといわれています。

仮想通貨やブロックチェーンが終わったと思っている方も多いと思いますが、実際は10年の時を経て漸く実用レベルに近づきつつあるわけです。

 

 

ブロックチェーンは、金融、不動産、サプライチェーン、広告、音楽、ゲーム、医療、エネルギー、官公庁等で開発が行われているわけですが、ソニーでは映画や音楽等のコンテンツ、著作権管理にブロックチェーンの開発を進めており、デンソーでは自動運転時のハッキング対策、セキュリティー確保の為に開発を進めています。

 

トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディア・ラボと協力してブロックチェーン技術の開発を行っていますが、トヨタでは2016年~2020年の5年間で約10憶ドル(日本円で約1,120億円)を投入してブロックチェーン技術を利用した自動運転車両の開発、カーシェアリング、自動保険等の開発が進められています。

 

もっとも海外はブロックチェーンビジネスが遥かに進んでいてエストニアのように2012年の段階で国家レベルで国民保険や司法、立法、商業法などの分野で実際にブロックチェーンを活用しているところやスイスツーク州のようにビットコインで税金や公共サービス、列車の切符が購入出来るところも既にあるわけですが。

 

 

 

Satoshi Nakamotoが開発したビットコインをブロックチェーン1.0とするとブロックチェーンはこの10年でイーサリアムを中心としたブロックチェーン2.0からアークブロック等のブロックチェーン3.0まで進みました。

スマートコントラクトやDapps等が進化すると共により使いやすい身近な存在になりつつあるのだと思います。

 

ブロックチェーン革命の真の姿は未だ皆目見当がつきませんが、我々はインターネット革命を経験してきたわけです。当初は何に使用するのか分からなかった技術を現在誰もが当たり前のように利用しています。

 

今後我々は壮大なブロックチェーン革命を経験することになると思いますが、そこにはなんらかの仮想通貨が絡んでいるわけです。それがビットコインなのかイーサリアムなのか・・・リップルは当たり前に銀行取引に使用されているのか?  少しずつ明らかになってくると思われます。