2回、センター前ヒットを放って、記録を達成。ファンはスタンディングオベーションでイチローの偉業をたたえたが、記録のとらえ方が難しい。
イチロー本人は、「2000(本安打)ではないので、数よりもスピード」と話した。しかし、1060試合目での達成です、と伝えられても「難しいですよね。日本でもない数字なんで」と、首をひねった。
唯一、人と比べるのが分かりやすい。1060試合は、アル・シモンズ(元アスレチックスほか、1040試合)、ジョージ・シスラー(元ブラウンズほか、1048試合)に続いて、史上3番目の速さだが、イチローの感想は「一番じゃないのが、腹が立つ」ぐらいだった。比較対象の選手のプレーがイメージしにくい上に、当時の野球とは全く別のもの。そこに自分自身の姿を重ね合わせる難しさがあるのは当然だ。
ただ、そうした60年以上も前に活躍した選手と比べられることには、悪い気はしていないようだ。「そもそも、それが事実かどうか分からないから比べられないけど、5年ぐらい前の選手と比べられるより、気持ちがいい」と微笑んだ。
ところで、ペースについて言えば、こんな記録がある。日本で1本目から500本目までの到達試合数は403試合だったが。501本目から1000本目までは354試合。
メジャーでは、1本目から500本目が、偶然にも日本で放った501本目から1000本目までの試合数と同じ354試合で、501本目から1000本目までは342試合。1001本目から1500本目までは、364試合となっている。
つまり、日本での最初の500安打を除けば、ほぼ平均して350試合ごとに、500本のヒットを、ペースを崩さず10数年にわたって刻んでいるのである。
その部分に関しても、「自分のペースに関しては分からない」と答えたイチローだが、その安定感こそが、ある意味、この記録の裏に潜むすごさといえよう。
さて、連敗も止まり、記録関係も一段落。落ち着いたところで、チームは明日から西地区の首位エンゼルスを迎える。この日、先に試合を終えたマリナーズは、0・5ゲームだけゲーム差を縮めて3・5ゲーム差。
明日からの試合の位置づけを問われたイチローは、「大きいね。大きい」と同じ言葉を2回繰り返した。