汗と土ぼこりにまみれながら薄雲に包まれた空へ、駒大苫小牧ナインが人さし指を突き上げた。昨年のエース田中らもしてきた歓喜のNO・1ポーズ。北海道では初の5年連続甲子園出場を決めた。
決勝でもスタンスは変わらなかった。先発した昨夏の甲子園メンバー対馬が、7回に2死一、二塁のピンチを招いた。香田誉士史監督(36)は、8点差がありながら迷わず久田をマウンドに送った。9回からはエース片山を投入。たとえ無失点でもチームカラーの継投を崩さない。3投手によるリレーで函館工打線に付け入るすきを与えなかった。
田中から背番号1を継承した片山は、マー君から愛用のアンダーシャツももらっていた。すそに「将大」と刺しゅうの入ったシャツを着て最後を締めた。6日の組み合わせ抽選後に田中からもらった「頑張れ。甲子園に行けよ」というメールでの約束を果たした。
甲子園準優勝の昨年は田中、本間(亜大)ら2年生から主力で“全国区”の実力者がいた。今年のチームは個々のレベルは高いが、絶対的な柱はいない。レギュラーは固定されず、打線も日替わり。常に選手は競い合うことが求められた。この日もベンチ入り18人中17人が出場。8回に代打の高橋が本塁打を放つなど交代選手も活躍し、18安打で15点を奪った。
敗戦から歩き出した。昨秋の室蘭地区2回戦で北海道栄に1-8の7回コールドで敗れた。試合後のミーティングで香田監督は選手1人1人に問いかけた。「中途半端にやるならコールド負けが3点差になるくらいだ。勝つために必死にやるのか、やらないのか」。優勝が当たり前のチームを見てきた選手は試合経験も、勝ちに対する飢えも不足していた。「やる」と訴え、再スタートを切った。
冬は雪上でも紅白戦を行った。代名詞となった雪上ノックを超える実戦練習で、1点を争う緊張感を意識づけた。奪還を期待する周囲からの重圧も跳ね返し、史上初の4年連続決勝のかかる甲子園切符をつかんだ