大幅反発・・・物色に広がり | 株式祇園精舎

大幅反発・・・物色に広がり

今日の東京市場はDJIAが最高値を更新し、大幅反発したことを好感した買いが入りました。


今日の指数:
日経平均 16,536.54(+167.73)円
TOPIX 1,628.00(+14.36)
Vol. 184266万株
225先物 16,570(+190)円
225mini 16,570(+205)円


日経JASDAQ平均 2,109.09(+14.63)円
マザーズ指数 1,140.02(+56.94)
ヘラクレス指数 1,816.97(+67.06)


SQ値(確報値) 16,484.59


USD/JPY(16:00) 119.30-119.35



今日のところ、この間と異なり指数以上に体感温度が高かったような相場でした。


昨日のNY市場は企業業績の好調さから買われる展開となりました。コストコ、ハーレーダビットソン、マクドナルドなどが発表した決算がよく、また原油安からハイテクが物色され、出遅れ感の強いNASDAQが大幅高となりました。また、DJIAは11,900ドルを突破、史上最高値を更新する展開となりました。CME225先物の清算値は大証比155円高の16,530円となりました。


市場筋による非公式の外資系証券の寄り付き前の売買注文動向は差し引き400万株の売り越し、金額ベースでも売り越しとの観測となりました。今日はオプションSQでしたが、これに関しては225型で58万株売り、59万株買い、差し引き1万株の買い越し、TOPIXでは300億円程度の売り越しとの観測となりました。225型は買い、TOPIX型は売りということで、これが相殺する形でSQ値は幻となりました(今日の安値は16,493.64円)。また、SQ値と先物の間では45.41ベーシスあったことから寄り付きは裁定買いが入り高くなって始まりました。先物では16,600円を試しに行くところまで買われましたが、中盤に掛けて上値の重さを嫌気した売り物が出されやや伸び悩み、その後は16,550円を中心に上下20~30円の値動きに終始しました。


225先物の日中足


225先物 日中足


昼休みの立会外バスケット取引の動向は884億円(JSD 115億円、TOSTNET 769億円)成立し、デルタは、「やや売り」との観測となり、先物で20円のギャップダウンで始まりました。これを受けて先物では売りが先行しました。しかし、バスケットに絡む売りも限定的、前場のレンジの範囲内で推移していて底堅さが確認されたことから売り一巡後は買い戻される展開になりました。しかし、売り買いの板が相当厚く、上値も重かったため、前場中盤と同じようなレンジで推移しました。14時ころに先物に大口買いが入ったことから、ややレンジを切り上げる場面も見られ、直近高値の16,600円台を目指す動きも見られ、大引けに掛けて現物も高値を取りに行く動きがあったのですが、ややそのあたりで上値の重さが確認され、また週末ということもあってか手仕舞い売りも出たりするなど売り買い交錯となりました。大引けでは225型はやや売り勝ち、大引けでは30円ほど指数を下げて取引を終えました。


また、新興市場はリターンリバーサルの動きが鮮明化する形で、マザーズ指数は5%を超える大幅高となりました。このあたり直近の下落が中小型株ファンド(日経金融新聞ではスパークスの例を取り上げて)の解約売りによるものであるということがわかり、売り本尊が見えてきたということも一つの需給的なアク抜け感につながり、自律反発狙いの買い物が入った感じです。


今日の相場、これまでとは違った動きでした。一昨日あたりまで、二極化「格差」相場、国際優良株が勝ち組、それ以外の大多数が負け組みなんていう感じだったのですが、今日のところその大型優良株の代表である、


7751 キヤノン 6,640(-70)円
7267 ホンダ 4,130(-50)円
4502 武田 7,760(-50)円
9433 KDDI 792,000(-5,000)円


このあたりが逆行安になっていたのが特徴的で、225マイナス寄与度上位(トップは9983 ファーストリテイリング 、下げ寄与13.58円)にはこういった銘柄が並んでいました。これらの銘柄で12.55円押し下げていることになります。7203 トヨタ自動車 も安かったですね。一方で、その他大多数の銘柄が軒並み高く、


値上がり 1,405銘柄
値下がり 225銘柄
変わらず 65銘柄


こんな形で中・小型株(Mid400/Small)あたりが堅調だったということがいえます。また、業種別値上がりランキングをみると、


1 鉱業
2 非鉄金属
3 卸売業
4 建設業
5 その他金融


このあたりの銘柄が高くなっていました。このところ売り込まれたグループです。従ってこのあたりの銘柄群が高くなって上記の国際優良株が全般相場に逆行安していることは、


国際優良株を利食い、出遅れている銘柄に物色を広げた(出遅れ修正)
自律反発狙いの買い物


この2点の可能性があります。自律反発の買い物ならばそれ程息が長くないのですが、出遅れ修正だとすればそれは昨日指摘したように、「点から面へ」という物色対象の拡大につながるということにも繋がるため、出直り相場への期待が出来ます。今日のところは直近の「格差」・「二極化」相場のアンワインドの動きが見られましたが、これが今後継続するかどうかはもうしばらく見極める必要があります。


新興市場も同様で、今日の自律反発が底打ちを示唆し、これから復調していくのかどうかということに関してもこれもまた見極める必要がありそうです。あおぞら銀行という超大型IPOを控えていたりしてこのあたりまだまだ需給的に厳しい展開が続きそうなことを考えるとここから反発して戻し相場に移行するという見方を取るには慎重であるべきだと思います。7825 SRIスポーツ までも公募割れしたわけで、IPOに対しても慎重になる投資家も多くなったことはかなり気になるところだと思います。初値予想など当たらず、ましてやこうも公募割れ案件が続出するとIPOも厳しくなるわけで、このあたりの動向には注意した方がいいだろうと思います。個人的な見解としてはちょっと安易な上場が多すぎるような気もするんですけどね。


そして、需給面で気になるのは、やはり個人の動きです。


投資主体別売買動向(9月2~6日分)


投資主体別売買動向


先週、日経225は16,500円を目指した動きだったのですが、その過程で個人が大量に売り越しています。その分を外国人及び自己が吸収しているわけですが、個人は戻り売りややれやれ売り・もしくは小型株中心に見切り売りを相当出したものと思われます。信用で売り越している分はおそらくは期日応答に絡んだ部分もあろうと思いますが、現物でも相当売り越していますので、現状の需給関係を圧迫させている主体は個人だということができます。また、信託銀行も大きく売り越していますので、16,500円のところというのは需給的に圧迫感が大きいこと改めて意識されるところです。


しかし、信用買い残は大分減ってきており、仮需の整理もつきつつあるわけですので、今後は個人がどう動いていくかが需給関係上注目されるところだと思います。やはり16,500円を突破していくには売買シェア30%弱を占める個人の買い動機が見られるかどうか、これが今後の相場の鍵になるのではないかという気がしています。


今週もお疲れ様でした。それでは、良い週末をお過ごしください。