先日、NHKあさイチで紹介された新作映画一本目の「北極百貨店のコンシュルジュさん」-最寄り劇場が横浜ブルク13でしたので、そこまで足を延ばしました。

 内容としては、《百貨店のコンシェルジュ》を扱った、日本アニメではお仕事系ですが、プロダクションI、Gだったので「攻殻機動隊」を思い出させるようなカメラアングルや、不思議な雰囲気を画面全体に醸し出していました―「君たちはどう生きるか」を逆を行く大作でした。

でも、I.Gとは思えないほんわかとして毒のない、おとぎ話のような話でなんかシュールでインパクトがあるマネージャーさんの神出鬼没さと、妙に私のマイキャラ・フェンフェンさんのように目力凄すぎるペンギン社長が、主人公の新人コンシェルジュさんを陰ながらも―目いっぱい支援している所がいいです―

 

■深いテーマが織り込まれている■

 主人公にかかわる動物の殆どは、実は近代人間の欲だけで乱獲されて絶滅した動物で、主人公がペンギンと勘違いされている百貨店社長もその一種で、百貨店自体が近代の人間の物欲から生まれたと説明がなされ、そうした人間に対しての動物の意趣返し的物として、北極百貨店があるという話ですがー全くそういうドロドロしたものでなく、終始コンシェルジュさんの仕事はどういう物か描く、お仕事系です。

■近年の日本アニメに珍しい、年配の方から小さな子まで見れる■

 1980年代から、段々と家族で見れるようなアニメが少なくなり、ポケモンもすっかり鳴りを潜め、ドラえもんすら段々テーマが重くなってきた昨今―日本屈指のハード系で知られるI.Gが放った、久しぶりの万人向けのアニメでした。一部、I.Gっぽいキャラ・演出ありますが、全体的に優しくこれを見たらコンシェルジュさんになりたいと思うお子さんや、思い悩んでいる人にそっと押してあげるような優しさがあります。

■評価など気にせず、オンリーワンで■

 この作品はもしかして―あえて評価を気にせず製作された、生粋のアニメ作品ではないでしょうか?

 そうとしか取れない風情があります―よく欧米など海外で言われる《日本的職人気質》を凄く感じられます―これは、賞は求めずに我が道を進んでほしい一作です―そういえば、「銀河鉄道の夜」と「グスコーブドリの伝記」もそれを感じますね―そういう風情こそ、名作の証です。

 

 ぜひ、国内外での映画祭では純粋な評価されるよう、応援しています。