初日運よく横浜駅最寄り劇場で4時台で見れました。

 今回は、全くコメントしようもない日本アニメ史上趙大作で、公開まで一切情報伏せられていたために世界は驚異的な本作を驚きをもって迎えざる負えない状態となったという点で、してやったりですが・・・・当の日本もこの作品を目の前にしてはしばらく恐縮する事にー

 

■コメントしようもない■

 よく《種明かし・内容ばらし厳禁》というのがありますが、本作に限っては言わずがなですーどう表現すればいいんだ?としか言いようもないですw

■日本アニメ業界総動員―世界も驚く驚異の出来栄え■

 放映後のお客が

「ジブリじゃない」

と漏らすほどに、これまで世界で評判となった日本アニメの名作をすべて押し込んだ物凄い熱量で、本編前の公開予定作品がすべてきれいさっぱり忘れてしまうありさまでした。

 EDクレジットには、世界に冠たるアニメ製作所がずらずらと表記され、東映までもが名を連ねくーまさに

《日本アニメーション大プロジェクト》

といった感でしたーなんか「プロジェクトX」のような世界です。

 そのため、宮崎作品のレパートリーに見えるのですが、様々な世界的名作のエッセンスが万篇なく撒かれたー

《一見純和風なジブリ調なのにポケモン・ドラえもん・東映アニメ・今時の異次元ものをごった煮になった無国籍作品》

という、東映動画設立時に社長がそれを目指したが、今まさに結実したと深く感じられた作品です。

 これまでは「AKIRA」「エヴァンゲリオン」「(手塚治虫原作の同名マンガと、ドイツの同名無声映画)メトロポリス」「GhostShell(攻殻機動隊の劇場版)」「ミュウツーの逆襲」が公開のたびに評価されてきましたが、ここ近年はクローズな嗜好になってきている日本アニメ業界に、宮崎監督はこの作品で

《君たちはどう生み出すのか?》

と突き詰めているようにも見えました。

■「君たちはどう生きるか」以降■

 この作品によって、国内外のアニメ制作者は極めて慎重になると思いますー特に、ディズニー・ピクサー共作「マイ・エレメント」はドンピシャリな時期にぶつけてきたので、もう白旗上げているかもしれませんねー実際、全く情報を伏せ公開でどんと見せるというのは、俳優や見せ場で客寄せするのが慣例の映画業界では前例のないーポケモン映画も、公開までは絵コンテや未完成品から予測して宣伝かけるのを考えると、本作に近いといえますが・・・

 「AKIRA」「エヴァンゲリオン」「GhostShell」「ミュウツーの逆襲」公開時には、世界はどよめき日本の底知れぬ力に驚愕するばかりー宮崎監督は、これまでの自作やジブリの評価や客層が純日本文学のような扱いから、なかなか抜け出せられないジレンマを本作で叩きつけたように見えるほどに、自作調をかなぐり捨てたすがすがしさも感じられます。

■どうするディズニー・ピクサー■

 2社共作「マイ・エレメント」ですが、本編放映前の予告で仏SF幻想アニメ映画「雨の子供たち」を翻案したようにも見えましたがー予告見る限り《エレメント》でいいのに、なんて《マイ》つける必要性あるのでしょうか?

 英分法分からんので、私の思い違いかもしれませんが《マイ》とつけると個人の所有感が強く出てしまい、ストーリーにかみ合わないとひどく感じますがーそれに「雨の子供たち」側の方から見たら

「話がなんかひどく庶民的になってしまっている」

とヒス起こしそうですw

 フランスの映画関係者は得てして、庶民的米国物は嫌いな方が多いですのでー「雨の子供たち」を、原作(1960年「竜の影」)と作品をある程度知っている私でも、これはがっかりしてしまいます・・・一層の事、宮崎監督にリメイクを打診してみれば?

監督が内容を大きく改変するので、それをわかって声掛けしないと

《依頼側が注文付けた》

とせっかくの作品にケチがついてしまいますーその例では「ゲド戦記」、公開まで新聞で原作者がジブリに注文付けた事すべて掲載されて、自分で評判落としてしまった事がありました←「ゲド戦記」自体も、金曜ロードショー・ジブリ枠に入れてもらっていないかと言うくらいに影薄いように感じますし(´;ω;`)。

 ジブリ版「雨の子供たち」だと、オリジナル・「君たちはどう生きるか」以上に問題作になりそう

《もうジブリとは言えない残酷物語》

・・・それはそれで、原作を掘り下げた覚悟ある作品ともいえます。

 宮崎監督、今作同様に日本アニメ業界一丸となって「雨の子供たち」をリメイクしませんか?!