今週の飛び休暇深夜に2話分見て感想文をまとめていましたが、何分疲れていたので今回で最終回までまとめて、掲載します。

1,8~最終回までの粗筋

8話「燃えるような深淵」

 モンゴの秘境にやってきたゴードンらは、先回りしていたミンの手下らと共に先住民に捕われる。

 そこで、ミンの手下らが仕掛けた地雷の爆破に、ゴードンらは絶命してしまう。

 しかし、先住民らはゴードンらをある岩場に運び、ガスを吹きかける。

 ゴードンらは息を吹き返し、それを見た先住民に捕われたミンの手下らは驚く。

 彼らは、爆発の責任を問うためにゴードンらを生き返らせたのである。

 ゴードンらは、この土地の王の所に連れてこられる。

 王は、領土が爆発で大変な被害を被り、王子まで行方不明になったのはお前たちのせいだ、と責めたてる。

 ザルコフは、先住民の言葉が古代語で理解し話せたので、通訳として彼ら―ミンの手下がした事だというが、怒り心頭の王にはそれは通じる訳でもなく、敵と共に牢に入れられる。

 デールもミンの女スパイと一緒にされてしまう―デールは、女スパイが寝ていると思い込み、無線機でミン宮廷にいるザルコフの友人・老博士に連絡を取るも、女スパイに見られてしまう―老博士、交信中にミンがきたので無線機を隠すも、女スパイがデールから無線機を奪い取ろうとしてもみ合いになり、2人は別々の牢に入れられた。

 女スパイは、まんまとデールから無線機を奪い取り、誰も邪魔されずに無線機でミンに老博士がゴードンらと内通している事を知らせ、老博士は窮地に陥る。

 その頃、ゴードンとザルコフらは何とか牢から脱出し、一旦バリンの元に戻るためにバリンの家臣が待機する飛行艇に向かったが、その途中で強力な磁気にひきつけられる。そして、遥か上方の岩場ではゴードンらを見つけた先住民が、仲間に知らせる叫びをあげていた。

 磁気発生源は、先ほどの爆破で露出した岩から発生し、ゴードンらを見つけた先住民まで巻き込まれてしまう。

 先住民の所に残されたデールらは、王により火あぶり刑にされそうになる。

9話「危険なブール」

 磁力で今にも滑落しそうなる王子彼を助けに、ゴードンは磁力の岩を巨石で壊し、倒れた王子をザルコフの許に運ぶ。

 ゴードン、ザルコフに急いで王に王子を見つけたことを知らせて欲しいといい、ザルコフは王のもとに急いだ。

丁度、デールとバリンの家臣が王により火あぶりにされかかっていた。

 そこに、ザルコフが駆け込み王に王子の無事を知らせ、ゴードンが王子を担いできた。

 王子の口添えで、やっと王の誤解も解かれ逆にその恩に報うために、ご奉仕をするとまで申し出される。

 ゴードンらが油断しているのを乗じて、ミンの手下らは逃げ出す―が、先ほどの爆発で自分たちの飛行艇を失い、ゴードンらのを奪おうとするも巨大怪獣に女スパイが悲鳴を上げ、それで待機するバリンの家臣らに気付かれ警報を鳴らされる。そして、土地勘のない所を逃げ回る内に、ゴードンらと共に追ってきた王子に待ち伏せされ、ゴードンらと挟み撃ちされる。

 ミンの手下らを捉えたゴードンら、次にミンに連れ去られたオーラの救出するために無線で老博士と連絡を取る。

 老博士は、ミンの宮廷衛兵でバリンのスパイにかくまわれ、オーラ王女と共にある所に隠れ、バリンのスパイに研究所に隠した無線機を取ってきてもらい、ようやくゴードンらと連絡がつながった。

 ゴードンらは老博士に状況を聞くと、二人を助けに宮殿に続く地下道から侵入する事を伝えられる。

 ゴードンらは、急ぎミン宮殿近くの荒野に行き、地下道の鉄扉が時間になると開くのを知っていたので、待って侵入。

しかし、途中で見回りの衛兵らと争い、ミンに気付かれてしまう―ミンは、家臣らに地下通路に水を流し込み、ゴードンらを水攻めせよと、命ずる。

10話「死の霧」

 ミンは、ゴードンらが溺れ死にしたと監視部屋から出ると、居合わせていた家臣2人は排水溝でゴードンらを外に追い出す―ゴードンら、オーラ救出を断念しバリン宮殿に戻る。

 その頃、ミンはお抱え科学者がザルコフと連絡する無線機をもてあそびながら、彼とオーラにゴードンらが死んだ事を話すが、手にしていた無線機にザルコフの声がしたので、ゴードンらの生存を知ってしまう。老博士は、意を決してミンに玉座から降りてオーラに譲るよう訴えるが、ミンはオーラはただの娘だと言い放ち、その言葉に老博士はミンに飛び掛かるが衛兵に気絶される。

 ゴードンらも、ミンに傍聴された事には気づいていなかったが、すぐに生きている事を気付いて次の手を打って来ると、バリンの領土上空に偵察機を飛ばして、警戒態勢に入った―しかし、捕えていたミンの女スパイらに逃げられてしまう。

 女スパイら、指令室に侵入してミンに連絡を取ると、攻撃を要請―そこにゴードンらが。

 女スパらはデールが人質に逃亡するが、正面ゲートを閉められやもえず塔に上る。

ゴードンは、彼らを追って塔の最上階テラスまで来ると、そこにミンの攻撃機が飛来して、爆撃し始める。

 女スパイが合図を送るも、攻撃機は爆撃し続ける。

 毒ガス爆弾で、デールも女スパイと共に倒れ、ゴードンもミンの手下と共に転落してしまう。

11話「裏切り」

 ゴードンとミンの家臣は、宮殿周囲の水堀に落ちて助かるが、デールと女スパイは攻撃機に乗せられ、ミン宮殿に。

 ミンは、自分が大事にしていた部下をゴードンらに取られたと怒ると、女スパイはデールを交換交渉の手札にするよう進言-ミンはそれに従い、バリン宮殿のゴードンらにテレビ電話で

「デールを返して欲しければ、捕えた家臣をザルコフと2人だけで連れてこい。さもなければ、デールの命がない」

と脅迫、デールもゴードンに助けに来てほしいと懇願。

 ゴードンとザルコフ、したかなくミンに従うも戻ってきたデールは、ゴードンに倒れ込む。

 ミンによって毒を盛られ、死にかかっていた。

 ミンは、

『解毒剤が欲しければ、デールと共にザルコフが来るように』

と文でよこす。

 ザルコフは、デールの命を救うためにやもえず、ミン宮殿へ。

 ミンは、公約通りにデールの命を助けるがザルコフを、彼の同胞である老博士と共に研究室に監禁する。

 ミンは、ゴードンの罠としてデールをオーラと共に一室に押し込み、扉近くに高電圧カーペットを仕掛ける。

 ゴードンらは、デールらを助けに宮殿地下に通じる扉にくると、見張り番と取っ組み合いとなる。

 しかし、相手はバリンが送り込んだスパイと気付く。

 スパイの手引きで、宮殿に忍び込みデールとオーラの部屋にたどり着くが、ゴードン―ミンの罠にかかる。

最終回「独裁者の運命」

 ゴードンは運よく一命をとりとめ、オーラの助言で電流を解除。

 その頃、ザルコフは同胞の老博士からミンが原子炉爆撃機を用意している事を知らされる―老博士は、長年ミンによって閉じ込められていると訴え、彼に苦しめられたものへのためならば、一命を賭けてもいいと申し出ていた。

 そこに、ゴードンらも到着し、合流。

 ゴードンらが逃走した報告を受けたミンは、自分によりも賢いザルコフを恐れ、地球破壊を急いだ。

 ミンは研究所に家臣らを向かわせるが、研究所の扉は固く締められていた―埒が明かないと、ミンはテレビ電話で通信してきた。

 ミンは、ゴードンらに殺す殺すという割には、一向にしないことが問われると、ミンは感極まって

「宇宙であるワシの裁きによって地球は破壊されるのだ」

と言い放った―これには、ゴードンらは困惑。

 しかし、ミンはそれができる科学者でもあるので、地球を救うためにミン打倒を決意。

 ゴードンとザルコフは、ミンの原子炉爆撃機を探し出し、それに乗り込みとゴードン一人で、ミン宮殿に向かった。

 老博士が、ミンの居場所を無線でザルコフに知らせ、ザルコフがゴードンに知らせる。

 その頃になって、やっとミンも自分の船がゴードンに奪われ、向かってくる事に気付き、家臣らと共に塔に逃げ込む。

 しかし、家臣2人はミンについていけず、塔の扉に鍵を閉めてしまう。

 ゴードンが操る自分の船が向かってくるのを目にしたミンは、逃げようとするが扉は開かず自機に衝突される。

 こうして、ミンの死によりモンゴと地球は救われた。

 

2,視聴感想

 パープル・デスを扱う前半部分(初回から4話)よりも、ミンとの徹底抗戦を描く後半(5話から最終回)がちぐはぐで、登場人物が何を目的にして行動しているのが、よくわからなくなります―ミンは儀礼用の軍服、デールは女ロビンフット風で、見分けがつき易いのですが、ゴードン・ザルコフ・バリンはバリン家臣と同じなので、アップになってもわからない有様。

 そのためか、ゴードンは時たまいつものコスチューム、バリンは10話目からは模様が入ったマントを羽織り、他のと個別化を図っていますが、ザルコフはそのままでひげがあるのかないかだけで見分けるしかありませんでした。ミンの家臣はヘルメットの目隠しで顔を隠し、バリンの方も同じ服を着て、無個性な一兵士的描写となっています。その中で、バリンのスパイやゴードンらを支援するよう者がいて、見ている内にドンドンわからなくなりました。

 しかし、ミンは内なる反逆者に全く気付か・・・お抱え科学者がザルコフとつながっている事には気づきましたが―最後まで気付かないのは、ミンにも案外純粋な所はあったようです(;´Д`)

 

3、戦時下のプロパガンダ的内容と、ミンの描写

 ミンのモデルとされた、古典的東洋人悪役でフーマンチューがいますが、これを英文から自動翻訳するとフー満州と変換されます。

 本作のミンの姿は、第二次世界大戦時のラストエンペラー溥儀に見えてきました―実は、最近、NHKの鉄道特番で皇室のお召列車が紹介され、そこには第二次世界大戦時に来日なされた溥儀が映されていました。その時の溥儀は本作のミンのようなお姿でした。

 こういう映像を見ると、フラッシュ・ゴードン自体がまさに《戦中SF物》で本作はプロパガンダ的に作られたように見えます―が、見るは見るほどミンは米国軍部と政府の《写し鏡》に見えてくるのです―ミンがバリンの領土と城を攻めている様子は、まさに米国が日本本土を攻撃しているようにも見えます―なんとなく、10話以降から無理やり終結させているように見えます。上層部から打ち切り宣告されたのでしょうか?

 しかし、今見ても前作の「火星への旅」の方が楽しいながらも、ミンの狂気がありありと描かれ、その狂気が彼の助手にまで感染していく様子は、ミンという存在の恐ろしさをひしひしと感じられます。←2作目の方が、一番メッセージ性が強いように見えますが・・・