ザック、退任表明「責任は全て私にある」
2014年6月26日7時24分  スポーツ報知
 
 ◆ブラジルW杯 ▽1次リーグC組
 
 サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)は、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で2大会ぶりの1次リーグ敗退を喫した25日、ベースキャンプがあるイトゥで記者会見し「責任は全て私にある。私はこの代表を離れなければいけない」と退任を表明した。契約は今大会で満了する。
 
 日本サッカー協会の原博実専務理事(55)は後任について、帰国後に臨時の技術委員会を開いて協議する方針を示した。
 
 イタリア出身の同監督は2010年就任。攻撃的なサッカーを掲げて11年アジア・カップでは優勝したが、W杯では1分け2敗のC組最下位に終わった。
 
 席上では日本の課題について「足りないのは普段のプレーを大舞台で出せるようにすること」と指摘。さらに「格上が相手でも勇気を持って戦いを仕掛けていくという自分たちのアイデンティティーはできた。継続してほしい」と自身が推し進めた攻撃サッカーがさらに成熟することを願った。
 
 ザッケローニ日本代表監督「このメンバー、スタッフで監督をやれてうれしかったし、誇りを持っている。4年間、素晴らしい時間をありがとうと伝えたい。何不自由なく仕事に専念でき、濃密な時間を過ごせた」
 
 ◆アルベルト・ザッケローニ 現役時代は目立った実績がなく、けがなどもあって30歳で指導者に転身した。95年からイタリア1部リーグ(セリエA)のウディネーゼで監督を務め、攻撃重視のサッカーで3位に躍進させた。98~99年シーズンにはACミランでリーグ制覇。インテル・ミラノ、ユベントスといったビッグクラブでも指揮を執り、ラツィオ、トリノでも監督を歴任した。10年夏に日本代表監督に就任した。
 
これを受け、日本協会は幹部の帰国後に本格的な後任監督の選定に入る。前回と同様に原博実専務理事が候補者リストを作成して水面下で交渉を進めており、メキシコ代表を2002年、10年と2度のW杯16強に導いたハビエル・アギーレ氏(55)=前エスパニョール監督=が有力候補に挙がっている。
 
 日本協会はW杯開幕前からザック流の攻撃サッカーを継続する方向で意見を統一。アギーレ氏も攻撃的なサッカーを志向するが、関係者は「守備の意識もしっかりしていて、バランスが取れている」と評価している。複数の候補者を含め、慎重に交渉を進めていく。
 
 ただ、ザック流攻撃サッカーの限界が見えた1次リーグ敗退を受け、日本協会内では再び意見が割れる可能性もある。4年前は何人もの候補者に断られ、ザッケローニ監督の就任が決まったのは8月30日だった。
 
 9月5日には新体制の初試合(相手未定・札幌ド)があるが、大仁会長は「そこまでにははっきりさせたいが、ふさわしい人材をどうするか。期限は考えてない」と長期戦も覚悟している。後任人事がゼロからのスタートになる可能性もあり、予断を許さない。
 
 ◆ハビエル・アギーレ 1958年12月1日、メキシコ・メキシコ市生まれ。55歳。MFとして同国プロリーグなどで活躍。自国開催の86年W杯に出場し8強進出(同国最高タイ)。95年からメキシコで監督を務め、2001年に同国代表監督。02年W杯で16強入りに導く。Aマドリード(スペイン)などの監督を経て09年再びメキシコ代表監督に就任し10年W杯も16強入り。今年5月までエスパニョール(スペイン)の監督を務めていた。
【カビゴンべの私見】
日本代表が最下位で敗退を受け、監督退任、選手達が現地解散という前代未聞な結末となり、淋しく、惨めなワールドカップだと思います。サポーターの皆様、もし選手が空港などで見かけたらやさしく声かけてあげてください。