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第6章
ロト6詐欺
20XX年8月某日
今日も何もない一日がスタートしました。実はこの留置場で俺の次くらいに長い拘留をせれていたヤツが、本日東京拘置所に移送になりました。
そんなことで「2014年組」は俺一人になってしまった。
というのも、俺は2014年8月にパクられて、それから約1年後にこの留置場で執筆を開始した。
それは冒頭にお伝えした井尾誠の助言があったからだ。
先述の「2014年組」というのは、約8か月前までの2014年の1年間にパクられた人たちのことだ。
この時点でも俺は先の見えないトンネルを彷徨い続けている状態だった。ただ、これを綴り始めたことによっていくらかメンタルが保てるようになったのも否めない感がある。
ではその2014年組NO,2の話しをしましょう。
彼は「ロト6詐欺」で2014年10月にパクられて、現在まで約10ケ月の留置場生活だった。ちょっと小太りの愛嬌のあるやつだった。
ちなみにロト6詐欺とは、「ロトの当たり数字を発表前日(新聞掲載の前日)に教えてあげるから先にお金ちょうだいちょうだい詐欺」だ。
今となってはその詳細をご存じの方もたくさんおられると思うが、簡単に説明する。
ロト6などの番号を当てる宝くじは、だいたい夕方の7時頃に当選番号が発表される。
だが、それはインターネットなどで検索しないと知ることはできない。その会場に足を運ぶのであれば話は別だが、そんな暇な人間はいない。ましてや地方に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんは99.9%無理でしょ。しかし、お年寄りは宝くじが大好きです。
そこに目を付けたこのロト詐欺軍団は、当然その数字をインターネットで確認し高齢のお客様に電話をかけまくり、少しでも耳をかしてくれたおじいちゃん・おばあちゃんにこう言う、
「おじいちゃん、今までロト6とか当てたことないでしょ?実は僕、その番号を前の日の夕方に知ることができるんですよ。これ絶対内緒なんだけど、おじいちゃんにだけ教えるから今から言う番号をどこか紙にでも書いておいてね。」
おじいちゃんは
疑い10%
興味90%
そしてさらに付け加える
「おじいちゃん新聞とってるよね。あしたの朝刊に僕が言う数字が掲載されるはずだから、今メモした紙を絶対になくさないようにしてね。で、数字を合わせてみてよ」と。
先にもお伝えしたように、お年寄りは宝くじが大好きだけど、当選したことはほぼ
皆無!
疑いよりも興味の方が完全に勝っている状態。この時点でロト6軍団の仕込みは完了したも同然だ。
あとは地球が半回転して朝刊がおじいちゃんの手元に届くのを待つだけ。
そして朝刊を見たおじいちゃんから喜び勇んだ声で電話が掛かってくる。
「あんたの言うとおり、ぴったり数字が合っとったぞぉ、次回のも是非教えてくれんかのぉ」と。
顧客を獲得した歓喜の瞬間です。
こうして、このおじいちゃんはドツボにはまっていくんですねぇ…。
そして、ロト君たちが稼いだ収益は二桁億を優に超えていたとか、とかとか…。
ちなみにロト君の共犯は4~5人くらいで、それぞれ別の警察署に留置されている。原則として共犯は同じ警察署の留置場には置かないのだそうだ。
で、それらの共犯者も彼と同じように2014年10月ころから拘束されているのだが、それぞれの留置場ではその共犯者らが最長なんだってさ。
たかだか10ケ月で
でも、この新宿警察の留置場では俺が不動のレジェンドなのであります。
署員からは「不動のエース」とも呼ばれていたけど、1ミリも嬉しくないけどね。まぁ、そのことによってこうして書けてるっていうのもあるし、良し悪しですなぁ。
そのロト君が本日めでたく東京拘置所に移送になって2014年組が俺だけになったというとてもくだらないお話しでした。
ただ、ロト君は8月22日の新宿警察署引越しまで居れなかったことをとても悔やんでいました。別に悔やむことでもないんだけどさ。(笑)
でもいいよなぁ拘置所…
さよならぁ…
みなさん、騙されちゃダメですよ~。ってか、もう流行ってないか。
あっ、でもいまだに新聞の数字発表欄の下に、
「当選数字は事前に
知ることはできません」
て書かれてるからなぁ…
では、今日のご報告はここまで。また後日お会いしましょう。