今日は、とてもたのしくてうれしい一日でした。



 いつもいそがしいファーターが、あさからずっとぼくといっしょにいてくれたからです。





 あさごはんのとき、ファーターがぼくに、「今日はしごとはお休みだから、おまえとずっといっしょにいるよ」と言いました。ぼくはとてもびっくりして、「ほんとう?」ときいてしまいました。でもファーターは、「ほんとうだよ。よるもひさしぶりに、いっしょにねよう」と言ってくれたので、ぼくは、すごくうれしくなって、ファーターのあしにとびついてしまいました。ごはんのときだったから、しかられるかもしれないとおもったけれど、ファーターはわらって、ぼくをひざの上にのせてくれました。


 あさごはんをたべたあと、ファーターといっしょに車にのって、ムターのところに行きました。でも本もののムターじゃなくて、ムターのおはかです。おはかは、しんだ人がねているところだから、ほんとうはあんまりさわいだり、よろこんだりしちゃいけないのだけど、ぼくはファーターといっしょだったから、まえに本でよんだピクニックみたいなきがしてきて、ついたのしくなって、しばふをはしったりしてしまいました。

 もってきたお花をおはかにおいて、ファーターといっしょにおいのりしました。おいのりするとき、いつもファーターはぼくをだっこします。ファーターにだっこしてもらうと、すごくとおくのけしきが見えるし、ファーターのかおもいつもよりちかくに見えるからすきです。でも、ぼくはもうあかちゃんじゃないから、「いいよ」といつもファーターに言います。でも、ファーターは、「そのほうが、ムターによくかおを見てもらえるんだよ」と言って、ぜったいにぼくをだっこします。でも、ムターは地めんの下にいるのに、なんで高いほうがよく見えるのかわからなくて、ファーターになん回もきくのだけれど、ファーターのこたえはいつもよく分かりません。

 ファーターは、ほかの人やおしごとの人にはいつもおこったようなかおをしているけれど、ぼくにはいつもやさしいかおをしてくれます。そして、おはかにくると、もっとやさしいかおになります。だけど今日は、ちょっとかなしそうなかおをしていたので、ぼくは「どうしたの?」とききました。でもファーターは、「だいじょうぶ、なんでもないよ」とすぐにわらったので、ぼくはあんしんしました。


 車まであるいてかえるとき、ぼくはいつもファーターにうたをうたってあげます。ぼくがうたわないとファーターは、「うたってほしい」と言います。ぼくが一ばんすきなうたなので、ファーターもこのうたがすきでうれしいです。この日もぼくがうたってあげると、ファーターは「うまいね、いいきょくだね」と言って、ぼくのあたまをなでてくれました。



 そのあと、レストランでおひるをたべました。おみせでたべるごはんは、いえでたべるごはんと少しちがうし、いろんな人のこえもきこえてくるので、とてもたのしかったです。ごはんのあとファーターは、「なにかデザートはいるかい?」とぼくにききました。でもぼくはおなかがいっぱいだったので、「いらないよ、ごちそうさま」と言いました。



 いえにかえったらしらない人が三人いたので、小さいこえでファーターに「だれなの?」ときいたら、「しゃしんをとる人だよ。これから、おまえのしゃしんをとるんだよ」とファーターは言いました。でも、カメラはいえにもあるし、しゃしんはいつもファーターやいえの人がとっていたので、ぼくは「なんでしらない人がとるの?」とファーターにきいたら、ファーターは、「この人たちのほうがファーターたちより、しゃしんをとるのがじょうずだからだよ」と言いました。せっかくファーターといっしょにいられるのに、しらない人がいえにくるのは少しいやだったけれど、ファーターに、「いい子でこの人たちの言うことをきくんだよ」と言われたので、がまんしました。

 ファーターよりとし上なのにファーターよりずっと小さいおじさんが、いつもファーターがすわる大きないすを、ぼくのおじいさんのしゃしんがかざってあるかべのまえにおきました。そしてぼくに、「そこにすわって」と言いました。そしてもう一人のひげのはえたおじさんが、ぼくのようふくやリボンやくつ下を、ずらしたりひっぱったりしました。ぼくは少しいやなきもちになったので、ファーターのかおをずっと見ていました。でもファーターは小さいおじさんとなにかおはなしをしていて、ぼくにきづいてくれませんでした。
 おじさんはファーターに、「それではごじたくように二まいと、いえいように一まいですね」と言うと、ファーターはとてもこわいかおでだまっておじさんにうなずきました。それからやっとぼくにきづいてくれて、「これからなんまいかとるから、この人たちの言うことをきくんだよ。ファーターはここで見ているからね」といつものやさしいかおで言ったので、ぼくはやっとあんしんして、「ちゃんとそこにいてね、やくそくだよ」と言いました。

 おじさんはさいしょぼくに、「口をとじてわらわないで」と言って、おじさんもおこったようなかおで、なんまいかとりました。でもそのあとは、「口をあけてもいいから、もっとわらって」と言って、ぼくにへんなかおをしたりしながらとりました。ぼくは、さいしょはあんまりわらえなかったけれど、だんだんそのおじさんのへんなかおや、おじさんがぼくにいうことがおかしくなってきたので、さいごはこえを出してわらいました。

 おわったあと、ファーターが「いい子にできたね」と言って、またあたまをなでてくれたので、うれしかったです。



 そのあとは、ひさしぶりにファーターとおにわであそんだり、ファーターに本をよんであげたりして、とてもたのしかったです。

 夕ごはんのあと、こないだのぼくのたんじょう日のおいわいのときにたべたくらいの、大きなケーキが出てきました。でもぼくは、やっぱりおなかがいっぱいだったので、少ししかたべられなくて少しざんねんでした。でも、たんじょう日でもクリスマスでもない日に、ファーターといっしょにケーキをたべられたのは、うれしかったです。



 一日じゅうファーターといられたのは、ほんとうにひさしぶりだったので、ぼくはとてもうれしかったです。しかも今日は、ファーターがいっしょにねてくれます。


 それに、明日、ぼくはかべのむこうにつれていってもらえます。かべはぼくのせよりも、ファーターのせよりもずっと高くて大きくて、むこうがどうなっているかは、ファーターにだっこしてもらってもぜんぜん見えません。だからどんなところなのか、少しこわいきもするけど、わくわくします。
 ファーターに、「どんなところに行くの?うみや山はある?」ときいたら、ファーターはちょっとこまったかおをして、こたえてくれませんでした。ファーターは、いつもならぼくがきいたことをちゃんとこたえてくれるのに、明日行くところはないしょにしたので、ぼくは少しいじわるだなぁとおもいました。でも、ファーターといっしょに行けるならどこでもたのしいので、ぼくは明日までがまんします。



 もう少ししたら、ファーターがおへやにきてくれます。「しょるいをかたづけたらへやに行くから、それまでに明日もっていく一ばんすきな本を一さつえらんでおきなさい」とファーターに言われていたので、これからえらびます。でも、すきな本はたくさんあるので、えらぶのはとてもたいへんです。



 今日は、ほんとうにたのしかったです。

 明日も、今日くらいたのしかったらうれしいです。