熱圧入インサートナット下穴寸法の実用適正値求める。

■事前調査

出典1:https://do-gugan.com/~furuta/archives/2024/03/insert_nuts.html
・ナット外径と下穴を一致させているが・・・

出典2:ウェブロック(PC用)
 →M2-L3.5-D3.9 下穴3.2
  入口部の外径より0.1大きく、最大外径より0.3〜0.4小さく

出典2:ドライブイット

 TTW型(3段下穴)→これは使えない
 TEC型
 →M2-L4-D3.5 下穴3.2深5以上、最小肉厚1.3
 →M2.5-L5.7-D4.4 下穴4深6.8以上、最小肉厚1.6
 →M3-L5.7-D4.4 下穴4深6.8以上、最小肉厚1.6
 →M4-L8.1-D6.1 下穴5.6深9.2以上、最小肉厚2.1
 →M5-L9.5-D6.8 下穴6.4深10.7以上、最小肉厚2.6
 →M6-L12.7-D8.5 下穴8.0深14.0以上、最小肉厚3.3
 →M8-L12.7-D10 下穴9.6深14.0以上、最小肉厚4.5
 →M10-L12.7-D12.3 下穴11.9深14.2以上、最小肉厚6.05

出典3:ナット埋め込み+インフィル設計3Dプリントの実践テクニック
https://www.youtube.com/watch?v=-exKSfkVjdQ

出典4:インサートナットの使い方
https://www.youtube.com/watch?v=OQhrzZZ0zUs
 

以上の出典からまとめると・・・

 呼び   実測寸法    下穴寸法設計
 M2-3-3  M2-d2.75-3-3 Φ2.85 深4.1以上
 M3-4-5  M3-d4.2-L4-D5 Φ4.30 深6.1以上
となる
 

■適用インサートナット

手配先:Amazon

・M2-3-3

・M3-4-5



■テストプレート設計
・テスト用穴の分布

 M2用(M2-3-3)
   2.6    2.7    2.7    2.8    2.8    2.8    2.9    2.9    3.0
 M3用(M3-4-5)
   4.2    4.3    4.4    4.5    4.6    4.7    4.8    4.9    5.0
・全体厚10mm、穴はすべて貫通、壁面層数5
・材料:PLA-basic黒(BambuLAB)

・M2用を5行、M3用を4行にて配置


■テストプレートスライス面の一部

・印刷時間3時間以上かかった。

 

■使用工具

・はんだコテ(PX-280)

↑PX-280 選択ポイント:デジタル設定、自動OFF、コテ先交換簡単。

 

・コテ先

M3用

M2用

 

共用(M2が入手難の場合はこれでも使える)

 

↑実際にはM2用は品切れで着荷遅延であったので、M2には共用型を用いた。

 

■テスト結果

・M2、M3とも2行分あれば概ね感触を得られた。
・いずれの下穴でもインサートナットの熱圧入可能であった。
・下穴が小さいほど穴縁部の樹脂盛り上がりが大きい傾向があるが、大差なかった。

・M2の場合、加熱開始から押し込み可能まで1秒程度、埋め込みも2秒未満であった。
・M3の場合、加熱開始から押し込み可能まで1.5秒程度、埋め込みは2秒程度であった。
・対象面から0.5mm程度深めに押込むほうが穴縁部の樹脂盛り上がりは目立たなかった。
・下穴の壁総数は5で十分であった。
・剥離方向に常時力がかかる場合を除き、下穴最大値でもインサートナット熱圧入後のねじ締結は固定として十分であった。

■標準化
・M2-2-3の場合、下穴Φ2.8、貫通もしくは深さ5以上
・M3-4-5の場合、下穴Φ4.8、貫通もしくは深さ10以上
・貫通させない場合、深さ15

 

以上