《『 先生! 』と声をかけてくれた 愛✨》☆。.:*・゜
 

お正月を故郷の福岡で迎えて、
東京に帰る日。
 

地下鉄に乗って、
福岡空港に向かっていたときのこと・・・
 
 
「 せんせい!」
 
 
という声が。 
 

顔をあげると、
そこには、
学生服を着た生徒が。

でも、
 

すぐに、
すぐに、
わかったのです。
 

私には、
わかったのです。
 

学生服を着ていても…
どんなに背が高くなっていても…
青年の顔になっていても…
 
 
 

私の生徒だったあなたのこと。 
 
 
 
 
「香葉村先生!」
 
 
 
そう声をかけて貰えただけで、
込み上げてくる想い。
 

それから、
 

彼は、
心の中の想いを
一気に吐き出すように、
語ってくれました。 
 

「先生。
 
 僕は、先生があの頃、
 僕たちに書いてくれていた学級通信の「絆』を、
 第1号から最後まで、綴じて持ってますよ。

 あの通信に書かれてあった事が、
 僕のそれからの指針だった。」
 

嬉しくて嬉しくて、
身体が、熱くなっていきました。 
 
 
「本当に?!  通信を取ってくれていたの?」 
 
『はい。今でも、ちゃんと持ってます。』
 
『僕だけじゃない。
 あの5年4組のみんなも持ってますよ。』 
 

『そうだ!このお正月。
 5年4組の女子は、
 女子会をやって集まってるんですよ。
 
 先生。
 6年生のときのクラスではなく、
 5年4組の同窓会ですよ。』 
 
 
 

写真も見せてもらった。
 

みんな。
可愛くなってて、
笑顔が素敵で、
それだけで、嬉しかった。
 

『先生。あのとき、いろんな事件。
 ありましたよね。
 僕たちのクラスは、いろんなことがあって・・・。
 

 でも、先生は、一歩も退かなかった。
 

 覚えてますよ。
 

 僕たちに、
 真正面から向かってきてくれた。
 少しもひるまないで。
 

 だから、
 僕達も、向かっていけたんです。
 

 みんな。覚えてますよ。』
 
 
その言葉に、
身体だけじゃなく、
目頭も熱くなっていった。
 
 

そして
 

彼は、最後にこう言った。
 
 

『先生。
 

 僕、先生になります。 
 

 だから、教育大を、受験するんです。』 
 
 

その言葉がどれだけ嬉しかったことだろう・・・。
 
 

『先生になって、
 困った時、迷ったとき。
 先生の学級通信を読みます。』
 

その言葉に、
泣いてしまいそうになった。 
 
 

私が、伝え続けたこと。
 

信じ続けたこと。
 

大切にしてきたこと。
 

その「想い」を、
今でも受けとめてくれている。
 

「生徒」
 

がいる。
 

そして、 
 

「僕も、伝え続けたい。」
 

と言ってくれている。
 
 

 

いつもそう。
 
いつも、そうである。
 

私は、何かに立ち向かうとき、
生徒たちに助けられる。
 

大きな決断をした私の前に、
やっぱり現れてくれる私の生徒たち。
  

先生は、
学校を離れても、
教室を離れても、
あなたたちの先生だし、
先生でいさせて欲しい。
 

そして、
 

あなたたちの前に立ち、
やっぱり歩き続けたい。
 

「あり方」
 

で、伝え続けたい。
 

今、この瞬間に
 

「先生の想いを受け止めています。」
 

という生徒たちが
 

~ 先生。これから、どうやって歩いていくんですか~
 

と、そう問いかけているように思えた。
 
 

 

そうね。そう。
 

歩き続けるから。
 
 

大切なもん大切にして
歩き続けるから。
 

覚悟していくから。
 

 
彼が、私に、
私の覚悟を
聞きに来たように思えました。
 

今までだって、
今だって、
これからだって・・・
 

先生は、
 

あなたたちに、
 

「想い」
 

を伝え続けられる
 

「 ひと 」 でありたい。
 

そう生きていきたい。
 
 

 
 
 

結局、
彼は
自分の降りる駅で降りず、
福岡空港まで、
電車に乗ってくれていた。
 

私が降りるとき
 

「先生!」
 

と言ってくれた声が、
私の背中を押してくれたように思えた。
 

ありがとう。
 

ありがとう。
 

「先生!」
 

と、声をかけてくれてありがとう。
 

彼が、
先生になる姿を想像したら、
心があったかくなってきた。