逃げ馬の競演

 1993年、七夕賞。そこには5頭もの逃げ馬が揃っていた。

 3番人気のツインターボは91年のGⅢラジオたんぱ賞(1800)を逃げ切り、続くGⅡ・GⅢでも2着。しかしそこから歯車が狂い、今までの試合全て6着以下と苦しんでいた。しかしいつも気持ちいいくらい逃げてくれるので、人気は非常に高かった。

 6番人気のユーワビームはこれまでの試合ほとんど1~3着ばかりで、GⅢも3着の実績がある。前走も2.5馬身差をつけて逃げ切った。

 7番人気のトミケンドリームはGⅢの実績こそ無いものの、ダートの11試合で1着が6回。最後の欅ステークスでは圧巻の5馬身差をつけて逃げ勝った。この実績を引っさげて前走から芝に転向、4着になっていた。

 8番人気のマイネルヨースはGⅡ(1400)を3着の実績。去年の七夕賞も4着と健闘。

 10番人気のスナークベストはGⅡの高松宮杯(当時は2000)を4着。GⅢ(1800)で3着。しかし今年は全て6着以下と振るわずにいた。

 また、この他にも、前走のGⅢで2着、ここ4試合全て2着以上の抜群の安定感を示し、1番人気になったダイワジェームス。シンボリルドルフを父に持ち、GⅢのステイヤーズステークス(3600)で勝ち、GⅠの天皇賞春(3200)・宝塚記念(2200)でも6・5着の実績を残し、2番人気になったアイルトンシンボリがいた。

 

  吼えろ、ツインターボ!

[実況:高橋雄一氏]
 
さあ第29回七夕賞、スタートいたしました
1コーナーまでの500メートル
まず見所は5頭の先行馬
これがどういった位置取りになるかです
大きな歓声に迎えられるように
さあ来ました正面スタンド前です
まずやはりピンクの帽子のツインターボ(3番人気、逃げ馬)が行きます
ツインターボの内にマイネルヨース(8番人気、逃げ馬)がピタリと半馬身
外の方からはユーワビーム(6番人気、逃げ馬
そしてトミケンドリーム(7番人気、逃げ馬
スナークベスト(10番人気、逃げ馬)関西(関西馬。関西馬は関東馬より強い)がやはり前の5頭
しかしまだ位置は決まっておりません
ツインターボがわずかに先手を切ってはおります
そしてその後ろがアイルトンシンボリ(2番人気、スタミナ自慢)白い帽子であります
さあ1コーナーから2コーナーへとこれから向かいます
塊が縦長になります
ここで順番が決まってまいります
まず先手を取ったのはやはりツインターボです
ターボエンジンを全開で逃げまくります
このツインターボが先手です
そしてその後ろちょっと間が空きました
ご覧のように3頭がおります
ユーワビーム
外の方からトミケンドリーム
内に入って3番のマイネルヨースと
その後ろにスナークベスト関西馬がおりますが
前半の1000メートル57秒から8秒
8秒切ったかもしれません
やはりかなり速いペースと言っていいでしょう
その後ろアイルトンシンボリがおります
そして、そしてその後ろヨシノトップ(16番人気
それからダイワジェームス(1番人気)上がっていきます黄色い帽子
関西馬のハヤブサオーカン(9番人気)10歳馬
その後ろからはリッジコネクション(14番人気)がピンクの帽子
更にその後ろからはヨシノトップがおります
そしてバーシャンスポット(4番人気
ずーっと上がってまいります
その後ろからは4番のエプソムジョーオー(13番人気)がおります
最後方から行っているのがユウユウサンボーイ(15番人気
さあ3・4コーナー中間地点に
これからツインターボがかかりますが
かなり飛ばしております
ターボエンジン全開で
その差は7・8馬身
さあこのまま逃げ切るのか
400ハロン(800メートル)を切って4コーナーに迫ります
さあ2番、ダイワジェームスが2番手に上がってきた
そしてアイルトンシンボリがその外におります
さあ直線コースに入った
あと200メートル余り
ツインターボ鞭が入った
懸命に粘る
外からアイルトンシンボリ
ツインターボ
アイルトンシンボリ
内からダイワジェームスは3番手
そしてスナークベスト
それからハヤブサオーカンだが差がある
吼えろツインターボ!
全開だターボエンジン!
逃げ切った!!
ツインターボが勝ちました!!
2年ぶりの重賞制覇です!
 
 
※ツインターボ、コースレコードを記録