男の子と女の子(ともに小学校低学年)が遊びのルールを巡ってトラブルになりました。

男の子は弁の立つタイプで、自分が勝ったか負けたか、マウントを取れたか取れないかだけですべてを判断するタイプです。

女の子も弁の立つ方ですが、相手の男の子に論破されるとそれ以上は反論しない。そしてその遊びから離脱します。

言い分を聞いてみると、男の子の言っていることの方が正しそう。

そこで女の子の方に彼女の間違った点を指摘して仲直りするよう勧め、2人は仲直りしました。



さて、女の子の方はそれですべて解決したと思っているでしょうか?

理屈では納得したかも知れませんが、相手に論破されているために、自分の言い分を十分出し切っていないはずです。

しかも言い分だけでなく自分の気持ち・感情も出し切っていない。

また、自分の言いたいことを言い切れなかったことに対する不満や情けなさなどの感情も心の内にこもったままです。

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大人でも、頭では理屈はわかったが体がついていかないとか、感情的にまだ納得がいかないと言ったことは誰しも経験したことがあるでしょう。

しかし子どもの場合はそういった表現方法をまだ持ち合わせていないこともあり、言語化できないままのモヤモヤがそのまま心に残ってくすぶることが多いのです。



そしてそういうトラブルが度重なると、不満や悲しみが蓄積され、それがいつしかトラウマとなってその子に定着するようになります。

怖い夢を見たとか、体に何か異常な反応が出た場合はすでにそのトラウマがいわば種から芽を出していてかなり大きくなっている可能性があり、その時点で手を打ってもなかなか治りにくいというのが実情です。



こういう場合は、言い分の是非は横に置いておいて、たまっている感情を吐き出してもらい、心を少しでも楽にしてあげることが大切です。

そして今その子を支配している感情がなんなのか、なぜその感情に支配されているのかを見極めた上で、その感情に沿った対応をしてあげるのが適切でしょう。

泣きたければ泣いてすっきりさせるのもいいし、怒りたければ物を壊したりしない限度で怒りの感情を出させてすっきりさせる。

そして、そういう気持ちを教えてくれたことをたたえ、「よく聞かしてくれたね、つらかったね、話してくれてありがとう」の一言を忘れないことです。



とかく「理」で人を説得しようとしがちですが、人の心を支配している感情はかなりの割合を占めています。

それを置き去りにしたまま理屈や理性だけで納得してもらおうと思っても、人はそう簡単に納得するものではありません。

理屈と感情が一致しているのが通常の人間の状態であることを忘れずに対処したいものです。