牛乳パックを切り抜いて工作をしている子供がいたとして、そばに完成図や見本があるのにその通りに行かないでその子が困っている場合、どう反応しますか?
人によっては見本通り行かないことをストレートに指摘してダメ出しをする人もいるでしょう。
やり直しをさせる場合もあると思います。
あるいは途中で手伝いに入ってある程度大人が手を加えて完成させる場合もあるかも知れません。
でも私は上のどちらの方法も採りません。
子供の成長の芽を摘んでしまうからです。
できる限り子供にやらせ、失敗してもいいから続けさせる。
あるいは考える時間をじっくり与えてじっと見守る。
その上でどうしても大人の手が必要な場面でのみ手助けに入る。
というのが私の方針です。
なぜそうするか。
1つには、子供自身があれこれ試行錯誤することで自分の頭の中に選択肢を増やすことができるのに、大人が安易に手を出すとその選択肢がすべて失われ、子供自身は進むべき道を選べなくなるから。
もう一つは、失敗を積極的にすることで経験を積み、何をしていいのか何をしてはいけないのかの区別基準が本人の中で自然にできあがるから。
見本通りに行かなかったとしてもそこから別の物が生まれ、子供自身はその完成品に満足感を覚えるから。
それによって本人も思いもよらなかったリソースを発見できるから。
「何かを作り通せた」という自信はその後の心の支えになり得ること、「これでもいいや」で終われることは妥協という選択肢をそのこの中に増やせること。そうして世界観が拡がり、物を広く見る目が養われるからです。
それから、大人がいろいろなところで手を加えた物には「自分の物」という愛着が湧きづらく、その完成品との心理的距離が長くなってしまい、「物を所有する」「物を大切にする」といった概念が湧きにくくなります。
物を作るという行為は、結果も大事ですがその結果に至る過程が大切です。
子供が1つの物を作り上げ自分の物にするまでにはいろいろな過程を経ます。
その過程で様々な経験をすることで、それがすべて経験則として確立しその後の人生の支えとなり、その子の可能性を広げていきます。
成功体験も大事ですが、そこに至る過程で様々な失敗を経験することは、そこから立ち直る術を習得するという意味でも貴重な体験になります。
命に危険が及ぶような失敗でない限り、大人はなるべく手出しをせずそばでじっと見守り、その子自身が自分でなんとかするのを辛抱強く見守るのが最善と考えます。
