雨に降られた。
どうやら俺の日らしい。

今日はピアノの調律に来てもらう日だ。
最近あまり弾けていないピアノだけど、調律のあとのピアノは大好きだ。
音がきれいになって、

歯を磨いた後の歯の隙間のような爽快感。
いや、歯医者さんでクリーニングをしてもらった後のような爽快感だ。
この喩え、きっとぴったりだと思います♪

さて。
昨日ツイッタさんで書いていた話を少ししようかなと思います。

なにかを目指す人への話だ。

なにかを目指している人、一番触れる機会があるのはやはり歌い手になりたいという人。
プロになりたい!と言ってくる若者が沢山体験レッスンにやって来る。
かならず歌う前に話を聞くのだけど、その時にプロになりたいという人に、

「どんな歌手になりたいですか?」

と聞くことにしている。
すると、ほとんどの人がまず、そのビジョンもないままに来ていたりあする。

「ん~。どんな・・・そうですねぇ・・・どんな歌い手か・・・」

口ごもってしまうのだ。

その次に多いのが、

聴いて元気になれる歌手になりたい。

素晴らしい!

これは素晴らしい。

そして、
勇気が出るような歌手になりたい。

これも素晴らしい。

真面目だなぁととても感心します。が、勇気が沸いたり、元気になれる歌を歌うにはどうしたらいいのか。
そこが見えてこないこともとても多くて、結果漠然としてしまうこともかなりある。
そんな中、プロになりたいと言っていた生徒の面白い回答があった。

とにかく有名になりたい。

これ、すごい決意だと思う。有名になるためにはなんでも出来る!ってことだろうと俺は思っている。
そしてもう一つ。

全然有名になったりする気はありませんが、とにかく有名人の友達が欲しいんです。

これはビジョンがよく見えた面白いやつだなと思った。
自分が有名というよりも有名な友達が欲しいって(笑)!
その動機、最高だと思った。
そして案の定、歌はそこそこに、東京に一人旅立っていった。
有名人の友達を作るために!

もう一人、プロではないけど面白かったのは、

カラオケで100点をどうしてもとりたい!

これも目標が明確で面白かった。

誰のためでもない。ただ自分のために、歌を習いたい!頑張るぞ!って気持ちが溢れていた。

元気になる歌を歌いたい、勇気の出る歌を歌いたい。
それもなにかもう少しの動機があるときっとうまくいくと思うんだ。
例えば自分が悲しい恋愛をしたから、同じような思いをした人に勇気がわいてくるような歌を作って歌える歌手になりたい。
とかね。目標ははっきりしているほど叶いやすいものだ。

俺は、

昨日書いた通り、バンドを始めたきっかけは、

・・・・・・モテたかったから。だ。

ごめんねこんなんで(笑)!

でも、ただちょっとモテたいんじゃなかった。
どうせなら、周りの誰かにモテるだけではなく、ステージの上に上がって目立ちまくって、不特定多数の人からキャーキャー言われたいと(笑)。
それで最初は考えた。

バンドをするに当たって一番かっこいいポジションは誰か。
まずはギターだった。
控えめな雰囲気で、しかもかっこいい。
そしてバンドをやり始めたけど、なにか足りない。

というわけで大嫌いだったピアノも俺は担当し始めた。
まぁまぁモテるようになったと思う。
でもね、まだそれだけでは満足できなかった。

どうすればいいのか。さんざん考えた結果、俺が曲も歌詞も書けば、俺がどんな人間かもきっとわかるだろう!と。
そこでがむしゃらに今度は曲を作り始めた。

毎日毎日時間をほぼそれに費やすくらいの気持ちで。

そして多くの人に聴いてもらわないとモテる輪は広がらないから当然プロになるために本気だった。

その結果だ。

俺はデビューした。

デビューして歌っているうちに、今度は気持ちを伝えたい、とか、そういう真面目な目標も生まれたのでした。

俺の経験上の話ですが、

目標はなんだっていいと思う。どんな
目標があろうと、それが本気ならそこに向かって行けるのだ。
本当に本当に、周りからアホかと言われるほどそれを本気で考えられれば。
昨日書いたのは合コンでどうしてもモテたい、人気者になりたいという目標の話を少し。
アホかと思うかもしれないけど、それを極めたらきっと、みんな群がるくらいのスペシャリストになるだろう。
きっと本気で考えたらやれることは沢山あるはず。

モテるためにカラオケで上手く歌うよう練習、女の子が好きなお酒を覚える、何をすると楽しいか、どんな話題が必要か、自分に似合う服装はどれか。
まだまだ沢山あるだろう。
それ本気でやったらさ、すごいと思う。カッコいいと思う。
別に大層なものに大層な理由がなくても良いのだ。

美味しいものをたらふく食べる目標が本気だとしたら・・・。
まずはリサーチ、健康を損ねないでいつまでも美味しいものを食べ続けられるように運動をするとか、地方にも食べに行けるようにしっかり稼ぐとか、良い情報を知るために知人を増やしていくとか、自分でも美味しいものを作っちゃうとか。

なんでもいい。

なんでも目標があれば、そこに向かって何をすれば良いのかがきっと見えてくる。

わざわざ誰かに言わなくてもいい。
よこしまな考えでも、それを本気で考えて行動出来たもの勝ちだ。
俺もどうしようもないきっかけで、でもそれを毎日考えていたらプロになれた。

生活の中に、小さくともしっかりとした目標があると、結構楽しく出来るものだ。

もしも、血みどろになって頑張れば何かのプロになれるなら、みんな血みどろになって頑張るだろう。
でも違うよね?
血みどろになって頑張ったら、血みどろに見える。その人がなんだかかわいそうに見える。
でも楽しんで目標に向かう人は、多少の、いや、数多くの辛いことすら結構楽しく(笑ってる訳じゃないよ)こなしているように見える。
きっと無意識の中で、この向こう側に楽しみが待っていると知っているのだろう。

どんなものでも良い。

何かの目標があると、一気につまらないものもなにか別のものに見えてくる。

嘘だと思う?

少なくとも俺は、そうやって生きている。

辛いことがあればそれもまた歌になるんだって思える。
楽しければそれも。
なにもなくてもそれすら歌になると思って過ごしているアホである。
でもさ、楽しいよ♪そんな毎日が幸せだよ♪