
お寺さんが来て、家族全員でお墓参り、その後仏壇前で昼食を食べた。
おじいちゃんは私が3歳の時に亡くなった。
実際におじいちゃんが他界した時の感情は覚えておらず、
死という意味自体、わかっていなかったのだろう。
その為、おじいちゃんの記憶は鮮明には覚えておらず、
唯一の思い出と言えば、
TVの横で一緒にコタツに入って、みかん

『おやじは定年間際に亡くなり、年金を貰わずにこの世を去っていった。
1番もったいない死に方や。』と一緒に昼ごはんを食べていた叔父さんが、
ポツリと呟いた。
『酒が好きで病気になり一度は止めたが、結局は一升瓶片手に晩酌してたな。』
叔父さんと会うのは10年振りだった。
昔はバイクが好きで、やんちゃなイメージだった叔父さん。
現在は46歳で、以前は焼き鳥屋を経営。
知らなかったが7年前に離婚もされていて、
今は持家を売って一人住まい。白髪混じりの髪。
私の記憶の中の叔父さんとは明らかに別人だった。
私の家族は何故かお父さん方の親戚とは、滅多に集まらない。
お母さん方の家族とは年に1回は必ず会うのに…なんか寂しいな。
おじいちゃんが生きてたら、どんな風なんだろう…。
今の家の雰囲気は何か、変わってたんだろうな。
『また次はおかんの33回忌やな。結婚とかめでたい事は教えてやー』
そう言って、颯爽と帰っていった叔父さんの笑顔が心に強く残った。
