実家で飼っていた猫が亡くなった。



「なんだか少し 痩せてきたんじゃない?背骨が手に当たるみたい」


そう思って医者に連れて行ったのが ちょうど1ヶ月ほど前のこと。

触診をした獣医が ちょっと顔色を変えて CTを撮影すると

腹部には かなり大きくなった腫瘍が発見されたのだ。


「ガン ですね」


そう診断されたものの、すでに患部はかなり大きくなっており

手術は猫の体力を考えても寿命を縮める事はあっても

完治・延命を望めるものではないという判断を下された。


幸い、神経組織や主要臓器に関係ないところにできたものだったらしく

猫に痛みはほとんど現れなかったようだ。


しかし 日に日に体力も食欲も落ち、あっという間に痩せていく。

ここ1週間ほどは ほとんど何も食べられない状態だったそうだ。


そして今日、妹からのメールは 「今日・明日がヤマらしい」


仕事を終え、一旦家に戻って娘を拾い、

そのまま実家へ直行した。

見る影もなく敷かれたタオルに横たわった猫だったが

名前を呼ぶと それでも顔をヒョイとあげて私を確認してくれた。

浅くゆっくりとした呼吸ではあったが まだ目はしっかりと焦点が合っていた。


みんなが集まるまで 猫は待ち続けた。

父が語りかけ、母が語りかけ、私や娘もお別れの挨拶をし、

最後に妹が看取り ほとんど苦しむことなく、11時15分 空へと旅立った。

みんなが共通してかけた言葉は


「おりこうだったね。苦しかったね。 もう、頑張らなくてもいいからね。

また、ここへ帰っておいで。いつかまた会おうね」

そして

「一緒にいてくれて ありがとう」

であった。                             合 掌