人間は記憶の動物であり、忘却の動物でもある。
起こった事や考えた事を瞬時にふるいにかけ、
記憶するべきかどうかを判断する。

自分に都合のよい記憶だけを留めておく事もできるし、
逆に大切な事まですっかり忘れ果ててしまうこともある。
忘れなければならないほどつらい記憶も、脳が判断して忘れさせてくれることもある。

ところが、科学は忘れたい記憶をも忘れさせてくれない領域へ
足を踏み入れているようだ。
脳の、記憶を司る『海馬』と呼ばれる器官だが、そこにマイクロチップを埋め込むことで、脳をハードディスク代わりに使おうというものだ。
記事によると、
>入力した情報がどのように変換されるかを解明できれば、人工器官を作ることができる。そして、その人工器官を脳に移植することが可能かもしれない。そうなれば、後はその人が何を見ようと関係ない。損傷した海馬を人工海馬に置き換えてやれば、本物の海馬の細胞と同じようにインプットをアウトプットに変換する
そうすることにより、短期記憶を長期記憶(自分の名前等、ずっと忘れない記憶)に置き換えることができるというものだ。

基本的には、脳の外傷やアルツハイマー病などに対応できるよう開発が進められているものではあるが、触れてほしくない心の傷は、できればそっと忘れてしまったほうが幸せだったりもするはずである。