2024年読書20冊目は小池真理子著
「沈黙のひと」
【超ざっくりストーリーは】
主人公:衿子が幼い時に父は他の女性との間に子供ができたため、母と離婚しました。
年老いた父はパーキンソン病を患い体の自由はおろか、言葉を発する事も難しくなりました。
衿子の母はアルツハイマーが進行しています。
そして父は亡くなり、遺品の中に趣味であった短歌仲間の女性とのやり取り、仙台へ単身赴任していた時に付き合っていた女性のことが分かります。
【感想は】
衿子の父は歩こうと脳が命令を出しても足が前に出ずに転倒します。
頭は正常なのに身体が上手く動かせないことにより言葉が吃音になり、意思の疎通ができないもどかしさ、ご飯を食べるさまがリアルに描かれています。
この作品を読んだら後悔の念が押し寄せて来ました。
歩いて数分のところに住んでいた亡義父。
義父はまさにこの状態でした。
転倒した義父を、そして吃音で意思疎通が難しい義父を分かったように、まるで赤ん坊を扱うようにした自分を悔いました。
頭はしっかりしてたのに、自尊心を傷付けるような介護の仕方だったように思います。
小池真理子さんの文章は綺麗です。
言葉遣いも大人としてサラッと言えたら格好いいなぁ。なんて言葉が出てきます。
「その泣き声はかまびすしいほどだった」
”かまびすしい”って普段の会話では出てくる事は、少なくとも私の人生ではありませんでした。
形容詞 さわがしく鳴くさま。 主に鳥の鳴き声を形容する。 やかましい。
ん〜、サラッと言いたい。”かまびすしい”