2024年読書12冊目は乙一 著
「夏と花火と私の死体」
【超ざっくりストーリーは】
仲良しの11歳の兄、9歳の妹とその同級生の女の子。
妹と女の子が木に登っていて、ひょんなことで妹は女の子を木から突き飛ばして殺してしまいます。
兄は妹を庇うため女の子の死体をあっちにこっちに移動しながら隠し、近県で頻発している児童行方不明事件の1人にして見つからないところに捨てようとする4日間の物語。
【感想は】
インスタで「怖い小説」で紹介されたので忘れないうちにアマゾンで注文です。
この小説の面白いところは「殺された9歳の女の子の視点」で物語が進行していきます。
よく考えたなぁ!
それも作者は16歳!文章も手練れの作家っぽいです。
兄妹たちは茣蓙(ゴザ)に包んで少女の死体を運びます。
夜の暗闇で人目に触れたりしますがなんとか見つからず目的の処分場所に辿り着きます。
茣蓙(ゴザ)に人が包まれていたら、いくらなんでも夜でもわかるだろ!ってツッコミを入れたくなりながらもテンポがいいのでサクサク読み進めます。
いくら、妹が庇うためとはいえ、少女の死体を隠すために
- 側溝に蓋をして土やら葉っぱでカモフラージュ
- そこが見つかりそうになったんで家の押し入れに布団に包んで入れる
- 最終目的地まで運ぶのに辿り着かなかったんで田んぼの中に死体を仮置き
- 高く積まれた石垣の深い穴に捨てるつもりで、石垣に死体を登らせるため滑車や紐を用意
と、11歳の少年が工作します。
もう、少年法撤廃ッ!!と声を上げたくなります。
物語の舞台の近辺で多発している児童行方不明事件との関わりもラスト2ページくらいで何となくわかるので「え~!そう来たかッ!」って言う驚きはあまり大きくありませんが、物語が頭の中で映像化されながら面白く読み終わりました。
もうラストだな~。でもまだ3分の1もページが残っているぞ?ここからまたドンデン返しがあるのか?
と思っていたら「優子」と言う別の物語が収録されていました。
優子
ある屋敷に奉公に来た少女。
主人とその奥さん「優子」は同じ部屋で過ごしていて食事は部屋の前の障子に置いておきます。
奉公へ来て1か月が経とうとしますが、この屋敷の奥さん「優子」は寝たきりなのでまだ見たことがありません。
奉公の前任者の少女から奥さんは2年前に亡くなったことを聞きます。
主人は少女へは部屋へ入らないよう命じられていましたが、主人が留守の際に部屋に入ると布団に寝ていたのは人形・・・
この主題になっている「夏と花火と私の死体」は1時間30分くらいの映画にしたら面白そうな内容です。
「カメラを止めるな!」的な低予算でもイケそうなんだけどなぁ。