2022年読書33冊目は青木和雄/吉富多美
「ハッピーバースデー」
あらすじは
実の母親に愛してもらえず、誕生日さえ忘れられてしまった11歳の少女・あすかは、声を失ってしまう。
しかし、優しい祖父母の元で自然の営みに触れ、「いのち」の意味を学ぶ。
生まれかわったあすかがどんな行動を起こすのか。
そして、母親の愛は戻って来るのか…
リアルな展開に、5頁に一度は、涙が噴き出る物語。
(Amazonより)
感想は
寝る前にベッドで読みました。
母は兄妹のうち、兄:直人を可愛がり、妹:あすかはネグレクト状態です。
あすかは母と兄の心無い言葉や行動で自傷行為をし声を発することが出来なくなります。
祖父母のところで声を取り戻し、兄も改心して妹を守ります。
ストーリーはいいです。人によっては涙するでしょう。
しかし、作者の「ここで泣かそう!そしてここでも泣かそう!」ってのが露骨に出すぎているように思います。
心傷ついたあすかが、1,2度しか会っていない会話もできない重度の障がいを持つ幼い同級生に「あなとといると心が落ち着く」みたいなことを言います。そしてその障がいをもった子は亡くなります。
障がい者差別をするつもりは毛頭ありませんが、1,2度しか会っていない意思疎通のできないのに「あなとといると心が落ち着く」はないでしょうし、障がいをもった子を亡くす設定もあざとすぎます。
「ここで泣かそう!そしてここでも泣かそう!」感、バリバリです。
兄:直人も妹:あすかには酷いこと言っていましたが、急に良い子ちゃんに目覚めちゃったりして、
兄:直人をはじめ登場人物すべての心情の変化や背景描写が浅いです。
物語としては悪くありませんが、あざとく底が浅いだけが欠点だと思います。
読む分には退屈しませんし、底が浅いんでサクサク読めます。
あれれ?批判ばかりになってしまいました。ごめんね。
退 屈 し な い 度:★★★☆☆
人 に 勧 め る 度:★☆☆☆☆
数年後に見返す度:☆☆☆☆☆