アンビバレントな奴
「オノ・ヨーコってあまり好きじゃないです。」
職場の「うんと年下くん」が言った。
「なんで?」
「だって、自分は大したことしてないのに、エラそうにして。
結局全部ジョン・レノンのおかげじゃないですか・・。」
「ふ~ん・・」
私は言いたいことがごまんとあったが、
ぐっと飲みこんだ。
(それがオンナの特性ってやつなんじゃないの?
オンナの鑑というやつさえいるはずだ!)
考えてみればこの年下くん、
数日前に奥さんの実家のことでこうぼやいていた。
「あっちにしてみれば、「嫁」としてイエに入ったわけだから・・」
あまり実家を引きずるのはおかしい・・・というような内容。
この時も私は大いに反応し、
多少口にもしたがキリが無いことは
わかっていて口をつぐんだ。
(旧態依然。)
わたしの世代は言うまでもないが、
かなりマイルドで今風になってみえる
年下君の口からこの台詞・・。
でもなんだか矛盾していませんか?
自立しないオンナをなじりながら
ヨメとしてイエに縛ることを望むオトコ。
オンナにもオトコ同様に
愛し愛されて育ったイエがあるという現実に
目をつぶる。
まぁ・・わかるんだけどね。
人一番できるオトコの周りには
できるオンナがいるもの。
だから両極端な主張のあいだを
行ったりきたり。
思えばこっちも似たようなものだから
お互いさまか。