お留学 | セカンドOL生活

お留学

私には留学経験が無い。


正確には、僅かにあるのだが、

ステップアップというには程遠いものだった。


すでにはるか昔の

大学4年の春のこと。

振袖と交換条件で両親に捻出してもらい、

1ヶ月UKとヨーロッパへ行った。

そのイギリスでの数週間が私のささやかな

留学体験となるのだが、

クラスメートとなったメンバーが

すごかった。


東大理系院生2名

慶応理系院生1名

慶応理系生1名

早大文系生1名

ICU女学生1名

東外大2名 (この彼女達とはまだ交流が続いてる)

と私。(がくっ?)

(関東とは無縁だった私(関西人)がこれを機に

すっかり関東通の気分になった。)


いちおう事前のテストで振り分けられるのだが、

なんでも「グラマーは出来るが、オーラルはいまいち」

という組だったとか何とか。(本当かな?という疑惑も・・皆似すぎ)

たしかに同じツアーでも他のクラスとは随分カラーが違う気が;


でも早々に友達も出来、

あっという間に期間を終え、

「英語で考える」とか自然に口をついて出てくる、

っていう感覚がなんとなくわかり、

2週間でこれなら1年も居れば完璧だろうなぁ・・。

と漠然と感じるものの、その後繰り返し行くことはせず、

いわばすっかり其れを機に海外から遠のいてしまった。

語学というよりも「国際人」になることにざせつしてしまった。


「何の肩書きも」も「目的も」なく、アジア人の平凡な女の子、

として海外に身を置くなんて私には無理だとつくづく思った。


放って置いても「誰それの娘」「どこどこの大学」

というものに無意識に甘え頼って生きてきた自分が

浮き彫りになり、結局今もそっちを選んでいる弱い人間。

誰それの妻ってカタガキ・・(自嘲)

お陰さまで個性派の多い同級生の中でも

抜群の「安定感」と「退屈」を備えた人生を

選ぶことになってしまった。


まだまだ難しい時代だったのかもしれない。

現に学生時代渡米し海外で華々しいキャリアを積み上げた同級生は

独りで生ききれず、一昨年命を絶ってしまったし・・。


必ずしも自分の選択が間違ってたとも思わないが、

私のキャリア年齢も上限にさしかかり、

子供も手がかからなくなってきて、

海外との距離感が格段に縮まった、

と見える今、

「もうそろそろいい子ぶるのも辞めなくては」

と思うようになった。