2015・7に入り

在宅医療を始め10日が過ぎます。

フェントステープの量はすでに18mmになり、痛み止めの座薬アンペックは日に依って3~5回・レスキューのオキノームも2回くらい使用してどうにか痛みが収まります。

落ち着いている時間、子供宛てに手紙を用意してました。文字を書くのが大変と言ってパソコンで「お父さんからの手紙」と題して二人それぞれに。夫は文章が上手でしたがアレ?と、いう感じです、精一杯だったのです。

いつも通りの会話も出来ましたが時々混乱することがあって、インターホンが鳴ると「あれ??葬儀屋さんかな?おまわりさんが来たのかな?」参りました。冗談のような言葉ですが夫は真剣ですから「葬儀屋さんでもおまわりさんでもなく、宅急便でしたよ」と、対応すると「それなら良かった」と、ほっとした顔をしてました。

ただ、痛みのある時間の方が多く、「お母さんまた痛いよ・・・」何度も何度も小さな声で言います。「効きますように」と言いながら座薬をいれました。

この頃から、便はストマーの方から出ているのに・・・肛門から粘液が出始めました(アスファルト色なんです)。夫は感覚がないようですが、回数が増え下着に使い捨てのパットを付けました。

 

忘れもしません7・16です。

早朝より高熱です。この日はずっと痛みが続きました。午前中に看護師さんに診てもらい「オレはもっと痛くなるの?オレはどうなるの?」よほど痛かったのです。頭が正常であるとこを残酷であると思わずにいられませんでした。看護師さんは「私と奥様はKさんにそんな思いはさせませんから」と、おしゃいました。家族の不安に対しては看護師さんが全面的にバックアップするので在宅医療を勧めます。

看護師さんが帰ってから夫に「病院で胃管と尿管を付けたら、出ずらいおしっこと吐き気が楽になるのかな?」何気なく言ってしまったのです。夫は「家は一番いいけどオレは身体が楽になる方が優先だよ」と、入院を望みました。明日、この話を看護師さんにしようと決めました。な・の・に・・・

PM6時頃に激痛が起こり、看護師さんの指示はお医者さんに連絡してフェントステープの量を上げてもらって下さいです。在宅のお医者さんに電話をし状態を話すと「これ以上麻薬を増やすと呼吸がとまるけどいいの?」返す言葉がありません。だって、在宅の目的は残念ですが延命ではなく痛みの緩和なのに。いったん電話を切って夫に少し我慢するように言います、これは私の大失態です。お父さんごめんなさい。長女は暫くすると、「こんなに痛がっているのに変だよ。S総合病院に行こう」まさにその通りです。PM8時過ぎ、再度看護師さんに来てもらい夫の容態を見てもらい在宅のお医者さんへの不信感と入院をお願いしました。直ぐに理解してもらえましたが、在宅の医師の紹介状が必要のようです。PM10時ごろ在宅医師がきました。痛みを耐えている夫は「遅くにスミマセン」と言います。「あなたまだ余裕があるではありませんか。麻薬を増やす意味はね、呼吸が止まりますよ、それでいいの?」さっき私に言ったことと同じ言葉を夫に。肩を落とし困惑する夫・・・怒りで部屋を出ていく娘達。「お子さんには厳しいかな」まだ余計な言葉。私は生まれて初めて堪忍袋の尾が切れました。「はい、もう結構です。ウチでは痛みの緩和をお願いしてそれが出来ないようですのでS総合病院の紹介状だけお願いします。女〇医大なんてどうでもいいんですよ」これが精一杯の抵抗でした。在宅の看護師さんと在宅医師が帰り、フェントステープの量だけは増やしてもらったので夫の痛みは軽減してます。夫は「お母さん、やっちゃったね。オレは平気だよ」私「うん、ゴメンね。あのお医者さん最初から好きになれなかった。許せなかったの」これで良かったと確信してます。私のエゴでも、夫も同じであったはずです。

明日、ウチの車で病院に行こうと話ました。

7・17日、朝方、夫が急に立ち上がり声を掛けるとどうしたらいいのか分からなくなり困っています。私の肩につかまりどうにかベッドに座りました。病院に連絡をすると、受け入れの準備は出来ているので直ぐに救急車を呼ぶ指示です。荷物はまとめてあるので119番通報して待っていると夫の意識がもうろうとしてます。「お父さん、ここはお父さんの家だよ、しっかり見て。」私の心の声です。堪らない思いで夫の肩を支えていました。

救急隊の方は「状態が非常に悪く病院に着く前に・・・奥様が同行して下さい」と言われましたが、ストレッチャーの上で夫が瞬きをして意識がはっきりしてます。「私は車で追いかけます、長女が乗りますから大丈夫です」たいした根拠も無く、そんな簡単に逝かないと自信がありました。(不思議です。外れなくて良かった)

何分の差はなく私も病院に着きました。夫は救急外来のベッドに私と長女は廊下で待っていますと、救急隊の方が「大変ですね、頑張っていますね。どうぞお大事に」わざわざ戻って来てくれ有り難かったです。心細く・心が折れそうで・・・私も助けて欲しかった。

夫のベッドの所へ行くと「ねえねえまだ~?先生~おしっこ・・・」子供が言うように夫が騒いでいるのです。少し力が抜け、折れのそうな私を助けてくれたのは、、やっぱり夫でした。まだ大丈夫、長女と顔を見合わせました。別人のようですが夫の大きな声、間違いなくウチです。

長々となり支離滅裂ですが、私にとっても正念場でした。娘達と三人、、、女ばかりですが負けない意気込みです。

次回に続きます