▩ 劇団神楽 Mスタジオ 2024.05.16 | 紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

☆ 大衆演劇・上方芸能・映画評☆情報系ブログ

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

〇 長く舞台をみてきたが、これだけ每回の舞台で観客を魅了し続ける劇団はまれだ。絶賛したい。4人で舞踊も芝居もそして、今回は貸し小屋なので木戸、裏方も全て仕切る敢闘公演。

 

メンバー

座長・神野泰志

副座長・雅舞子

神野勇人

神野遙香

 

芝居 「屑屋の甚助」  

*『泪橋情話』としても上演される芝居

 

 配役

主演・座長・神野泰志‥屑屋 

副座長・雅雅子‥小間物問屋、叶屋の女将おふじ

神野遙香‥屑屋の娘はな

神野勇人‥うどん屋主人

 

劇団神楽総評

劇団4人の全てがいろんな役を演じ分ける一人芝居もできるほどの猛者揃いの劇団神楽。

それが、どんな芝居もショーも縦横に熟せる源泉なのだ。中でも副座長・神楽舞子さんは芝居も舞踊も『神業』。神々しいほど、まばゆい毎回の舞台に釘付けになった。長年の私の観劇人生をすっかり塗り替える劇団に出会ったような気がしてならない。

 

誰もやらない中国古典楽器「二胡」を弾く神野遥香さん、落語を見事にこなす神野勇人さんは『芸道一筋』若き二人は大衆演劇界の逸材だ。未来は明るい。まさに役者は『芸道一筋』を『地』でいく姿だ。

 

あらすじはあっさりと‥

 

座長が演じるくず屋の甚助はどこかとぼけた味で、正直者という風情だ。

貧乏長屋で気の強い女房と娘の3人暮らし。頼るものは甚助のわずかな稼ぎだ。

 

稼ぎが少ないとオオカミのようなかみさんに叱られる毎日。そんなある日、思いもかけない屑を貰い持ち込んだら三分のカネになった。

喜んだのもつかのま、どこかになくしてしまった甚助。「くず」「くず」といいながら探している。

 

夕闇迫る頃、うどんやが威勢よく現れて「うどんゑーそば、うどんゑーそば」と威勢よく呼び声をかける。どこかに三分のカネを落としていなかったかと屑屋が聞く。

 

*飄々とした甚助とキリリとして威勢のよい若いうどんや店主の掛け合いがおもしろい。

 

うどんゑーの声とくずーの声が混じり合う。

 

そこへ、泣いてあらわれたのが娘、聞けばおとっつあんの稼ぎがすくないから娘を「女郎」にすると言われ飛び出してきたらしい。

 

屑屋の父にいうと女房に意見してやるといいだすも

おとっつあん、お母さんに勝てるの、負ける喧嘩はするもんじゃないよといわれてしまう。

娘は死ぬしかないと…

 

途方に暮れた甚助、娘に何もしてやれない。せめての償いに一緒に死んでやるからと橋の袂から身投げをしょうとしたら、ちょいとお待ちないの声。

 

突然、引き留め、ワケを聞いたのは小間物問屋叶屋の女将さんだった。

 

聞けば身につまされる話、うちで、女中奉公してくれないかの誘い。

 

はじめは、実の父は甚助と育ての母、キッパリと断るが…娘には出生の秘密‥

娘の将来を案じる甚助が頼む。孝行娘が親孝行になるらと心をきめる娘・はな。

 

ところがである、女将がハッと目に留まった娘の櫛。思い起こす事があった。 

 

櫛をどうして手にしたのかと、訳を甚助に問いただす。実は捨てられていた子と打ち明ける。

ならばと、聞いてもらわねばならないことがあります。聞いてくれますか?と女将が語りはじめる。

 

心震わせながら、娘の生い立ちを聞いてみれば‥

これより先は、芝居を見てのお楽しみということにしておこう。

 

★ 泣かせ、笑わせ、また泣かせ、芝居は絶品のW人情喜劇に仕上がった。

 

 ☆感情が盛り上がるシーンで流れる曲は名曲「竹田の子守唄」だ。

 

お花がラストシーンで生演奏する「上を向いて歩こう」最高の山場で幕。

 

口上挨拶  座長・神野泰志

 

・19日〜20日  響ファミリー  響彬斗 座長

・26日  昼の部が千秋楽

・劇団スケジュール  

    6月 群馬県・猿ヶ京温泉  まんてん星の湯  三国館

    7月  大阪・瓢簞山劇場

 

 

 

舞踊ショー  

・舞踊ショー

・浪曲語り抜き読み  『清水次郎長伝  三十石船』

・歌詞の心を表情に、舞姿に、美しく流麗に表現する雅舞子〜ため息が出る美しい舞姿。舞踊で拍手がおこる数少ない女優さんである。

・ラスト‥大阪マンボ

 

【画像】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

単独大阪公演2回目の劇団神楽、去年の此花演劇館でファンの心を掴んだ結実がこんな辺鄙なMスタジオに観客を集める布石となった・紀州屋良五郎

7月の瓢簞山劇場は連日札止めにしたいと願う。