▩ 映画『夜明けのすべて 』を見た | 紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

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〇『そして、バトンは渡された』の原作などで知られる瀬尾まいこの小説を映画化。

 

予告編

 

 

STORY

月に1度、PMS(月経前症候群)の影響で激しいイライラを感じてしまう藤沢美紗(上白石萌音)は、転職してきたばかりの同僚・山添孝俊(松村北斗)のささいな行動をきっかけに、ストレスを爆発させてしまう。その後美紗は、やる気がなさそうに見える孝俊が実はパニック障害を患っており、生きがいや気力も失っていることを知る。互いの事情を知った二人は職場の人たちの理解に支えられながら、同志のような関係を築いていく。

キャスト

松村北斗、上白石萌音、渋川清彦、芋生悠、藤間爽子、久保田磨希、足立智充、りょう、光石研

スタッフ

原作:瀬尾まいこ
監督・脚本:三宅唱
脚本:和田清人
音楽:Hi’Spec
撮影:月永雄太
照明:秋山恵二郎
録音:川井崇満
プロデューサー:城内政芳

上映時間
119分

〇 私が見たまま、感じるまま 〇

 

パニック障害とPMS(月経前症候群)を抱え、生きづらさを感じる男女。そんなふたりが、「それでも私たちは救いあえる。」と、互いに助け合おうとする映画。

息苦しい現代だからこそ題材になり得たテーマである。

 

かつては<些細なこととして、生きる上で支障にならず、気にもとめなかったような出来事が

今では、大きな差異として見られてしまう。私流にいえば命の許容度があまりにも狭く、細く、

そして繊細になりつつある。

 

ささやくかのような息苦しさ、大声で走り出すことさえ、はばかる

なにかに怯える。生きることは、すり減らすことではあまりに、おもしろくない。

 

一人だけじゃないんだ。みんなおなじなんだ。大事な事は拙くても自分の思いを自分の言葉で「表現」してみる勇気、そこへの踏み込みなのだ。

 

鬱積したものがあるなら、空に向かい大声で叫ぼうじゃないか、人生は一度きりなんだから‥

この映画は、心の中の声を、心地よい会話といたわりでそっとつつみこむような映画だ。

 

なぜか、見終えた後、あたたかい気持ちになっていた。