1月20日
ジェームス・W・ヤング
アイデアのつくり方

  どんな技術を習得するにも、学ぶべき大切なことは第一に"原理"であり第二に"方法"である。ある特定のアイデアをどこから探し出してくるかということではなく、すべてのアイデアが作り出される方法に訓練する仕方とすべてのアイデアの源泉にある原理を把握する方法が重要なのである。
  
その原理とは、二つある。まず、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるという原理である。そして、もう一つは新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を探り、見つけ出す才能(心の習性)によって高められるという原理である。

アイデア作成には意識的あるいは無意識的に用いられる五段階の心の技術の経過がはたらく。
第1段階は資料を収集することである。
集めるべき資料は特殊資料と一般的資料の二つである。特殊資料とは広告でいえば、製品とその消費者についての身近な知識を手に入れること、それらの関係性について掘り下げ特殊性を見つけることである。一般的知識とは、人生とこの世の様々な出来事について貪欲に吸収し得た知識のことである。この二つの知識の新しい組み合わせからアイデアは生まれてくるものなのである。ここで注意することは、関係が無さそうだからといった先入観で即断と偏見を避けることである。
第2段階は集めた資料を咀嚼、分析することである。一つの事実を、多方面から眺めてみたり、二つの事実を並べてみてどうすればこの二つが噛み合うかを調べる。つまり、集めた資料の関係を探し、組み合わせることである。この段階で、部分的なアイデアが訪れたらそれらがどんなに突飛であっても言葉に書き表しておくことによりアイデア作成過程が前進する。アイデアを生む組み合わせの要素となる(資料の本質を抽象化した)データをいくつかの断片に分け、それぞれ一枚のカードに記入することをヤングはすすめている。そのデータは多いほどよい。
第3段階は問題を無意識の心に移し眠っている間にそれが勝手にはたらくのにまかせておくことである。自分の想像力や感情を刺激するものに心を移すのである。
第4段階は発見した!の瞬間である。アイデアが訪れて来る時は、アイデアを探し求める緊張を解いて、休息とくつろぎのひとときを過ごしてからのことである。
最後の段階は、生まれたアイデアを現実の過酷な条件とか世知辛さなどの有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階である。

言葉はそれ自身が、アイデアである。〈言語意味論〉という言葉を語彙に持ってると言葉の使用について数々のアイデアを手に入れることになる。ハヤカワ氏著『思考と行動における言語』を読むと良い。