アマルフィ/真保 裕一
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現在公開中の映画『アマルフィ 女神の報酬』の原作小説です。

オールイタリアロケ、豪華な俳優陣とそちらにばかり話題がいっているので、観て来た者としての見どころ解説をしたいと思います。

まず、この原作の著者は、こんな本も書いています。


ホワイトアウト (新潮文庫)/真保 裕一
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お気づきの方も多いとは存じますが、『アマルフィ 女神の報酬』で外交官・黒田を演ずる織田裕二さん主演で映画化されていますよね。

『アマルフィ』の映画化は、真保さんと織田さん、10年目の再会の作品といえるでしょう。


そして、『アマルフィ 女神の報酬』で監督をされているのは、西谷弘さん。

フジテレビのドラマを何本か撮られているようで、戸田恵梨香さんとのお仕事も経験されているそうです。

戸田恵梨香さんも、『アマルフィ 女神の報酬』に出演しています。


そして、音楽は菅野祐悟さん。

ドラマ『SP』『キイナ 不可能犯罪捜査官』などの音楽を手がけていらっしゃる、私イチオシの音楽家の方です。


さらに、エグゼクティブプロデューサーに亀山千広さん。

あの『踊る大捜査線』とそのスピンオフを手がける名プロデューサーです。

『踊る大捜査線』の映画最新作は来年の公開です。

こちらも楽しみですよね。


『ライアーゲーム』、『コードブルー』、『BOSS』と、最近出演されたドラマでは、設定に一癖ある役が多かったように思われる戸田恵梨香さんですが、『アマルフィ 女神の報酬』では研修中の外交官補という役です。

在イタリア日本大使館に赴任直後のため、仕事にもまだ不慣れで、イタリア語がまだマスターできていないことを赴任直後の黒田に一刀両断されるのですが、必死なことはよく伝わってきます。

私は戸田さんの劇中のファッションにも注目していました。

スタイルとしてはオーソドックスなのですが、色遣いや柄など、真似したいところがかなりありました。


そして『離婚弁護士』、『BOSS』と、フジテレビのドラマで「上司になって欲しい女性NO.1」の座を揺るぎないものにした天海祐希さんもご出演されています。

戸田恵梨香さんと『BOSS』で共演されていて、その劇中では凛々しくも切れ者の刑事役を好演していらっしゃいましたよね。

そんな天海さんが娘を誘拐される母親役という、難しい役を演じています。

最初は「誰も信じられない!」と自分を強く見せようとしているのですが、織田裕二さん演じる外交官・黒田にだんだんと心を許していく様子、言葉の通じない異国で誘拐された娘の無事を祈る様子、そして亡くなったご主人との想い出を唯一2人で旅したローマに重ねる様子など、複数の複雑な心境を同時進行で演じていらっしゃって、さすが宝塚の「伝説の人」だな、と感じます。


私が写真を本格的に始めて初めて観に行った作品だったもので、映像の撮り方にも見入ってしまいました。

レンズは昔からある「アナモフィックレンズ」が使用されているそうで、まるで写真を何万枚も重ねて作られたように、奥行きと独特の空気感のある映像でした。

あくまでも「人間を撮る」というスタンスで撮られている映画なので、何も予備知識なしでいくと、凄い豪華なロケ現場を見逃すおそれが……。

日本映画史上初の「チネチッタ」スタジオでの撮影があり、大理石の模様をベニヤ板に描いて本物と見まごうようなセットを作ってしまうイタリアの職人さんの腕があり、そしてローマやアマルフィで苦心して説得して撮影許可を取った甲斐ありの、本当に豪華で美しい映像です。


でも、それよりも、ストーリーが緻密です。

スケールが壮大で、ああいうふうに終わられると、本当にローマでクリスマス休暇を取りたくなってしまうんです。

または、アマルフィの海が見えるホテルを取って、骨休めがしたい!と思います。


原作小説と映画では(最近よく使われる手法ではありますが)少々設定などが違うようです。

ただ、原作小説と映画が同時進行で作られたようなので、私は小説も買いたいと思います。


最近、ドラマでも映画でも音楽でも、クレジットをよく見ます。

音楽家さん、俳優さんの成長を追うのも好きですが、音楽とか、脚本の方を観て「ああ、この人ね……」ってことがよくあります。

椎名林檎さんも、織田さんも、天海さんも、戸田さんも、菅野祐悟さんも、「またこの人の作品、観たい!」って思います。

それがシリーズだったりすることもあるわけで、『踊る大捜査線』、『BOSS』、『ハンチョウ』(佐々木蔵之介さん主演のドラマ。佐々木蔵之介さんファンです)などなど……。


私もまた一緒にお仕事したい!と思われる人間になりたいと思いますが、難癖をつけたりいろいろするので、今のところは無理だと思います……精進します。