うちの高校は早くから「国際交流」を重視する教育方針を掲げていて、留学生を受け入れたり、派遣したりというのに積極的だ。

緑色を基調としたブレザーとタータンチェックのスカートという制服をきちんと着て、金色のロングヘアをなびかせて女子留学生が闊歩しているなんていうのは、仙台育英では日常の風景なのだ。

外国語コースでは「伝統文化」という科目があって、茶道と華道が必修だったりするし、もともとそれらの素養がある生徒も多いと思われる。

短期の留学生もいるし、1年の留学を希望する生徒もいるし、運動部には3年間まるまる留学してくるケニアの陸上部の選手候補なんかもいるわけで、毎年10カ国くらいから留学生が行ったりきたりする。

来日した留学生の中には、部活に参加する人も多い。
我が吹奏楽部にも、3人の留学生を迎えたことがある。
日本語を教えたり、母国のことを教わったり、一緒にプリクラを撮りに行ったこともある。

もちろん練習も一緒だが、そのときに素晴らしいと思ったことがある。

楽譜は世界共通の規則で作られていて、言葉が通じなくても、楽譜が読めれば一緒に演奏することができるということだ。

考えてみれば、クラシック音楽というものは、何百年も前に書かれた楽譜を渡され、演奏するものである。
作曲者の指示を聞くには、楽譜を読まなければならない。

楽譜は、作曲家からの手紙のようなものなのかもしれない。

他にも世界共通の規則をもったものはあるだろうか、と思って考えていると、ふたつあったので紹介しようと思う。

まず、私の大好きな化学の構造式。
ちゃんと世界的に規則があって、世界どこででも、元素記号とつながり方の規則と化学反応の法則を覚えれば、その化学式がどんな性質のもので、どんな反応を起こして変化するかがわかる。
ただ、私は化学の専門家ではないので、ある程度しかわかりかねる。ご了承いただきたい。

次に、数式。
ドラマ『ガリレオ』の中に、福山雅治さん演じる天才物理学者が、事件のトリックをひらめくとところ構わず数式を書くシーンがあるが、あれだって物理または数学の世界共通の規則にもとづいて数式を書いているわけで、その道に通じている人が読めば意味がわかるはずなのだ。
これは残念ながら私の守備範囲外なので、これ以上論じるのはやめておく。

とにかく、言語がなくてもコミュニケーションができるというのは面白い。
私は日本語をコミュニケーションの手段としているが、香りだってコミュニケーションの手段になりえるのだ。
そう考えると、私はもっともっと香りに関する勉強をしないといけないと、改めて感じるのだ。