それはちょうど10年前の今頃の話―。

センター試験を控えた私たちは、学校の「センター試験激励会」というものに出席するため、嫌々学校に来ていました。
意味があるのかわからない式典があり、激励のオコトバや地元の天満宮の御守りなんかをいただいたりするだけなのですが、他のコースは授業があるとかで「授業が終わるまでは教室で待機!」と宣告を受け、私たちは授業が無いのになかなか帰してもらえませんでした。

何はなくとも時間が惜しい時期なわけですから、私は数学の問題をやりつつ時間を潰していたのですが、後ろからツンツンされて振り向くと、コソコソと親友のSさまが悪魔の誘惑をするわけです。

いわく、抜け出して帰ろう、と。

待機の時間は残り1時間程。
さっさと帰って時間を有効に使った方が良さそうでしたし、待っていると電車が混むのは確実です。
先生も廊下の様子を見に行ってしまって、教室にはいません。

よし、帰ろう。

そう申し合わせて2人でササッと帰り支度をしてこっそり廊下に出て、先生が教室に入ったすきに廊下から外階段に出て、駅までダッシュ!

幸い見つからず、追いかけられることもなく、2人で脱走に成功、15分後には電車の中にいました。

このワタクシ、高校をサボったことは数知れませんが、脱走したのはこの一度だけでした。

センター試験と言うと毎年このことを思い出します。
私は浪人しているので2回センター試験を受けているのですが、どちらも成績がふるわず、第1志望の広島大を受けるのをやめてしまったくらいなので、試験自体には思い出はほとんどありません。
まだ5教科6科目の時代だったので、今の5教科7科目で国公立受けるのなんて大変だよなぁと思います。
東大は全然変わらないのだろうけど…。

高校当時、私は凄くのんびりさんに見られてたらしく、2年生のときに現代文を担当していただいた恩師には「もっとハングリー精神をもたなきゃあ」とたしなめられたり、「数学も頑張ってるのか、だったら東大行けるな」と真顔で冗談言われたり(注:絶対無理だし、行きたいと思ったことありませんから)しました。

親友のSさまをはじめ、国語の小論文で私よりもっともっと優秀な子がたくさんいたにもかかわらず、今私が文章を書く仕事をしているのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだし…本当にごめんなさい!!

あなたも10年前を想ってみてください。
今、何を思いますか?
10年前に持っていた夢は、叶っていますか?

私は…いろんな夢を叶えることが出来ました。
まだ、叶えたい夢がたくさんあります。
今はハングリーに、あの時と同じくらい勉強してます!