令和4年3月1日『平面波の振動数と波長』:kochi-at
Written by, ハマダ・コロンブス理 (50代)「理学士」
[例1]:a, ω, αを定数(aとωは正),kは定ベクトル,k・r=kx+ky+kzはkとrのスカラー積として
Φ(r,t)=acos(k・r-ωt-α) ――― ①
はkに垂直な波面を持つ平面波であることを示し、振動数と波長を求めよ。
[解]:rを固定すると①式は振幅a,振動数ν=ω/2πの単振動を表す。2点rとr+⊿rにおける位相θ=k・r-ωt-αの差は⊿θ=k・⊿r=k⊿rcosγに等しい。
γはkと⊿rの間の角度である。
⊿rをkに垂直に選ぶとγ=π/2,⊿θ=0だから
{ベクトルの内積より、A・B=|A||B|cosθ}
⊿θ=k⊿rcosπ/2=k⊿r・0=0
よって、波面はkに垂直な平面である。
⊿rをkに平行に選ぶと(γ=0)
∴ ⊿θ=k⊿rcos0°=k⊿r・1=k⊿rであり、kの方向に距離λ=2π/k進むごとにθは2πだけ増しθは同じ値を繰り返す。λが波長である。
{波数k→波長の逆数σ[λ-1]}
{単位円周上に何波長分の波が入るかを表す。}
kは平面波の波長と進行方向を与えるベクトルで波動ベクトルと呼ばれる。
(法線ベクトル)
tがdtだけ増すとき、波面がk方向にdrだけ動くとすると、
(θ+⊿θ)-θ={k・(r+⊿r)-ω(t+dt)-α}
-(k・r-ωt-α)
=kdr-ωdt
{ 円周 2πr=ωt }
kdr-ωdt=0であるから、kdr=ωdt ∴ dr/dt=ω/k
波面の動く速さは
dr/dt=ω/k で与えられる。{右辺は単に記号数値と考える}
これを位相速度と呼ぶ。
真空中では、dr/dt=Cだから ∴ ω=Ck
が成立することになる。
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〔引用文献〕:中嶋貞夫:量子力学Ⅰ:岩波書店:1986年