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金持ちとイケメンと美人の希少性に関する定量分析
世間の女子たちは毎日女子力を磨き、金持ちでイケメンの男子をゲットしようと励んで
います。男子も同様に美人とうまいことセックスしようと日々がんばっています。
そこで、今回は、この漠然とした「金持ち」「イケメン」「美人」、そして「独身男」
というのが日本でどれぐらいいるのか、そしてどれぐらい希少な存在なのかを定量的に見
ていくことにしましょう。
こういった定量的な理解は、恋愛市場の構造を読み解く上で大変重要なものになります
。
まずは金持ちの数ですが、これは国税庁が毎年発表している統計資料からかなり正確に
わかります。『平成22年分 民間給与実態調査』は民間の事業所に勤務している5415万人
の給与所得者を対象にした膨大なデータを公表しています。公務員や配当で生活している
投資家などは含まれていませんが、日本でまともな仕事で金を稼いでいる民間人のほぼ全
ての所得データになります。
さて、日本で年収が2000万円以上ある男は何人いるのでしょうか? 答えは約16万人に
なります。意外とたくさんいるものですね。2700万人以上いる男性の給与所得者全体の約
0.6%に相当します。ちなみに年収が2000万円を超えている女性は1万9000人しかいません
。
また同資料は、この各年収帯の平均年齢も計算していて、年収が2000万円以上の男の平
均年齢は58歳を超えています。
年収が1000万円以上を金持ちと定義するなら、その人数は10倍まで増えて、160万人の
男がこれぐらいの年収を得ています。それでもこの層の平均年齢もやはり50歳を超えてい
ます。
次にイケメンと美人を考えて見ましょう。
これはかなり定性的な評価ですけど、『女にとって男の9割はキモくて、残りの1割が恋
愛対象。でも男にとって、絶対ムリな女は1割だけで、残り9割は恋愛対象』などとよく言
われます。
僕はイケメンの基準の方が、美人の基準より明らかに厳しいと思っております。
そこで金融日記恋愛工学研究所が推奨する計算方法として、年齢である程度絞った後の
約5%がイケメン、そして約15%が美人だと仮定します。
また、計算をすごく簡単にするために、矩形型の人口分布を仮定して、寿命を80歳とし
ましょう。つまり、30歳~40歳の女子の人口は、6500万人の8分の1で、約800万人と計算
できるものとします。ものすごく荒い近似として、男性は20歳~50歳、女性は20歳~35歳
ぐらいが恋愛レディー状態の年齢帯と仮定します。
(以上は、あくまで計算上の仮定の話であり、もちろんボルドーの赤ワインのように歳と
ともに魅力を増す女性はいくらでもいます)
そうすると年齢的に恋愛アクティブの男性は約2400万人、女性の場合は約1200万人にな
ります。このうちのイケメン含有率は5%で、美人含有率は15%ですから、結局のところ、
日本のイケメンの人数は120万人、美人の数は180万人ということになります。
つまり全ての男性の2%ほどがイケメン、全ての女性の3%ほどが美人、という結果になり
ます。これは直感にもかなり合っている数字ではないでしょうか。
結婚市場に関していうと、美人はイケメンより金持ちを好みますから、年収が1000万円
以上の男160万人と、この美人の数の180万人は実によく一致しているように思えます。
ざっくりといって、年収が1000万円以上の男も、美人も、両方とも150万人-200万人ぐ
らいが、妥当な推定値ではないでしょうか。
年収が1000万円以上の夫と美人妻の夫婦は、非常に典型的な組み合わせですよね。
次に独身というファクターで男をスクリーニングすると、また面白いことが見えてきま
す。
「不倫は文化」といわれるように、妻帯者でもかまわない、という女子もいるかと思いま
すが、不倫は法律的には相手の奥さんに慰謝料を請求される身分であることも事実です。
できることなら独身男性の方がいいでしょう。
総務省が5年おきに実施している「就業構造基本調査」の2002年データについて、独立
行政法人「労働政策研究・研修機構」が分析した「若者就業支援の現状と課題」と題する
研究論文に面白いデータが載っています。
それによると、年収が1500万円以上の場合、25歳-29歳の男の74%がすでに結婚してお
り、30歳-34歳の場合はなんと90%がすでに結婚しているというのです。 ということは、
年収2000万円以上の16万人の男、あるいは年収1000万円以上の160万人の男のうち、独身
は1割もいないということです。
そして、これらの年収帯の平均年齢は60歳近いですから、実際には独身率は5%もないの
ではないでしょうか。
高所得者層の独身率を目一杯高めに取って10%とすると、金持ち(年収2000万円以上)
の「独身男」は、多く見積もって1万6000人しか日本にいないのです。これは日本人男の0
.025%です。小金持ち(年収1000万円以上)の独身男は、やはり最大限に多く見積もると1
6万人はいるかも知れません。こちらは0.25%になります。
いずれにしても、女子力を磨いている女子たちが求めている金持ちの独身男は、ゼロコ
ンマ数%の戦いということになります。
さらにここで5%のイケメン・スクリーニングをやると、金持ちのイケメン独身男は日本
に800人しかいないことがわかります。もう一度いいましょう。日本でイケメンの金持ち
独身男って 800人しかいないんですよ。つまり全ての男のうちの0.0012%です。しかも、
そのうちの200人ぐらいは芸能人とスポーツ選手です。